意味分かんない
『……師匠』
人が寝静まってる時間…明かりがわずかな部屋の中…
『…あいつ…レイミについて
相談したいことがあるんです…』
彼を止めることは令美にはできない
数日、イズミの家でアルの記憶を取り戻すため兄弟は図書館へ行ったり色々とやってはいるが変なトカゲに絡まれる以外何も変わりない毎日だった
今日は病院から帰ってきたイズミが記憶を戻すためアルをバットで殴っている時
「どうしたの兄さん」
筋トレしてるエドがある重要なことに気づいた
「…ひどい顔…」
驚き固まったエドの顔がすごいことになっている
「…今年の査定忘れてた…」
「あ‼︎‼︎」
驚いた後、顔を青くするエド…その時に言った言葉に理解できたのはアルだけで…令美達には何のことかわからない
「査定?」
「国家錬金術師の年に一度の査定!これをちゃんとやっとかないと資格取り上げられちゃうんです」
「軍人も色々とめんどくさい」
焦り始めるエドにイズミがこれを機会に軍を止めろと電話し出す…電話は止めてアルの手助けがありエドは猛スピードで軍本部へ向かうため用意する
「んじゃ!行って来ます!」
あっという間に出て行ったエドにアルだけが手を振って送り出した…がその後をアルが勢い任せに逃げようとしたがイズミによって止められた…これから地獄の組み手が待っている
「…慌ただしい奴…」
その夜…瞬間移動のアリスの存在に気づいた令美だが…エドには勿体無いなと思うことにした
ここで世話になる間は何かしら手伝いをしないと家に入ることも出来ない、それは令美も例外ではなくご飯の手伝いや店の看板娘みたいなこともさせられた…顔のおかげで店の売り上げが上がりイズミの機嫌が良くなったとか…
「レイミ、今日は買い物よろしく頼むね」
「…」
そして今日は買い物…店では看板娘として、買い物では値下げやおまけの期待をされる事が多くなりイズミはこの二つの手伝いを令美にさせたがる…令美としては立ってるだけで行くだけでいいので助かる
「行ってらっしゃい」
「……はい」
イズミが本当の家族のように送り出すのは令美は慣れてない…毎回短い返事だけで出て行く令美をイズミは苦笑いしながらも明るかった
「あ、レイミさんどこか行くんですか?」
「…買い物…」
「あぁ、夕ご飯の…いってらっしゃい気をつけてくださいね」
「…」
“行ってきます”
と令美には簡単に返すことは出来ない…家族でもない赤の他人同士で挨拶をした事がなかったから…
「…意味分かんない」
外にいたアルにまだ送り出され令美は少し戸惑いながらも買い物へ行った…その間、アルの元に敵の誘いがあったとか…
アルがいなくなったと気づいたのは令美が買い物から帰ってからで…
「レイミおかえり…あれ?アルの奴と一緒じゃなかったのか?」
「…知らない、行く時には会ったけど買い物には一人で行ったから」
イズミはアルと令美が一緒に買い物に行ったと思ってたみたいでアルがいないのをそんな心配してなかった
「たく、あのバカ手伝いもしないでどこほっつき歩いてんだか…レイミ悪いけどあのバカ探してきてくんないかい?」
「…別にいいけど」
手伝いのために言ってるのか心配なのか令美には分からないがアルを探すくらいなら簡単なので引き受けた…
「…アルったらどこいって…」
仕方なく家の周りを見渡す…いつもは使わない遠目のアリスでアルを見つけることに…
「はぁ…本当、ヒマしない連中…」
見つけたアルにため息吐いた令美は歩き出す…まだ日は沈んでないが…きっと帰るのは夜になるだろう…
「…帰るの遅くなりそう…」
◇◆◇◆◇◆
「あれー?アルフォンス君とレイミちゃんまだ帰ってきてないんですかー?」
「…レイミはともかく…何やってんだろうねあのバカは‼︎」
外が暗くなり今だに帰って来ない2人に心配するメイスン…頼み事した令美は分かるがアルがいつまでも帰って来ない事にイズミは怒っている
「ちょっと心配ですよね…誘拐とかされたりして…」
メイスンの一つの仮説に想像するイズミ達…だが
「まっさかー」
「そうっスよねー」
あの鎧の体がそう簡単に捕まる訳がないとイズミ達は笑い飛ばした
「でも…
もしアルのせいでレイミにもしものことがあれば…犯人もアルもぶっ殺す‼︎」
「…師匠、レイミちゃんには激甘っスよね…」
「…ウム」