主婦だッ‼︎‼︎‼︎
「ぜんぜんダメ」
そして時間は過ぎて朝になり…徹夜でやってもアルの記憶が戻ることはなかった…
「面倒くせぇな…解体してオレに解析させてくれよ…錬金術なら少しやったことがある…」
催眠術やらなんやら色々やってたが上手くいかず仲間の1人が錬金術でやると言い出した…それにアルは納得いかない
「…やるなら国家錬金術師クラスの人を連れて来てもらわないと少しかじった程度の人にいじくられるなんてたまったもんじゃないよ…」
「おー言う言う」
生意気なこと言うアルにグリードは楽しそうで錬金術かじりの男は怒る
「ふん…ず太い神経してるガキだ…おめーみたいな奴は好きだぜ…だが‼︎気に入らねぇな…怖いものは何も無ぇってその態度…本気でバラすぞ…あぁ?」
「落ち着け、やっとみつけた手がかりだぞ」
怒りアルにガンつける男を静めたのはグリードだった…まぁ怒りは残ってるだろうが
「…怖いものひとつあるよ…」
足音とは思えない重い足音がどこからか聞こえ出す…その音は確かにこちらに近づいてくる…
「…やっと帰れそう」
「…来たよ怖いもの…」
(ドバ‼︎)
足音が止まったと思ったらただの壁が扉へ錬金された…そして開いた扉から入ってきたのは…
「はい、ちょっと失礼するよ」
堂々とした イズミ だった
外で待機してただろうグリードの仲間達がボロボロになって床に倒れてる中…イズミは無傷だった
「なんだてめぇ…」
倒された男を引きずってズカズカと部屋に入ってきたイズミは止めの言葉も聞かず引きずってる男をアルに投げ飛ばした
「こんのばかたれが‼︎なに人さらいにあっとんだ‼︎」
「ごごごごごごめんさないいいい」
イズミの怒鳴りにアルは泣いて謝った…周りの奴もイズミの行動に唖然としている
「レイミ‼︎レイミはどこにいる‼︎」
生意気だったアルが怖いモノのイズミが出てきただけでこの怖がりよう…そんなイズミが次は令美を探しだした…アル同様怒られる!と周りは思った
「…ここにいる」
ムサイ男の中から出てきた令美の姿は宛ら囚われの姫だ…イズミの目が光った
「私のレイミに何してくれてんだぁ‼︎」
令美の周りの男達はイズミによって目に見えないスピードで殴り飛ばされた
「レイミ無事か⁉︎何もされてないか‼︎」
「一応平気、セクハラされそうになったけど…」
「なんだと…お前ら…死ぬ覚悟はできてるか…」
先ほどより数倍殺気をまとったイズミにアルはもちろん周りの敵も顔を青くしてる…令美にだけ甘いというのはすぐわかった
「なっ…なんだよアレ…てめー何者だ‼︎」
「 主婦だッ‼︎‼︎‼︎ 」
怒り収まらないままイズミは本当のことを迫力満点で言いきったその姿をグリード以外が唖然としていた
「…“何もされてはない”って伝えたつもりだったけど…」
「アレじゃあ勘違いしますよ…あぁ〜ボクも殺されるよ〜」
令美の回りくどい説明のせいでアルはますます自分の命が危なくなったと涙する
◇◆◇◆
キレたイズミは止められずグリード以外の敵を全て倒してしまった…
「おいおいおいおい…いきなりそりゃ無いでしょ…」
それに無傷で息一つ乱れてないイズミにさすがのグリードも笑ってはなかった
「あんたが責任者?うちの者が世話になったね…連れて帰らせてもらうわ…特にレイミは絶対」
「それはできねぇ相談だ」
「あっそう」
(ゴンッ)
交渉決裂したとたんイズミはヘラヘラ笑うグリードの顔を殴ったが…人間を殴る音とは思えない硬い音がした
「…ほんとうに何もかもいきなりだな、指イっちまったんじゃねぇの?」
「…‼︎」
グリードの顔の一部が変色していく…それは鉄より硬い盾へだった…人間とは思えない技に反対にイズミの手がやられてしまった
「師匠‼︎」
「カンベンしてくれよ女と戦う趣味は無ぇ」
顔の次は手までも変わっていくグリードの身体…令美は見たことの無い力に“真似て”みたがアリスが“使えなかった”
「(アリスではない…アリスにしか見えないのに)」
「…えらく変わった身体してんのね…」
「まぁなちょっとやそっとじゃ傷ひとつ付けられねぇぞ」
イズミの手から血が出ているがイズミは手のことは気にせずグリードの盾が相当硬いみたいで体を珍しそうに見てる
「…そう言えばエドまだ帰ってきてないね…エドなら真っ先に来そうなのに」
「…あ!」
アルの隣に避難していた令美が思い出したかのようにエドの話をすればアルがイズミにエドの事を聞くがまだ帰ってきてないらしい
「あれ?兄貴は死んだって…」
「一言も言ってないよ!…師匠‼︎この人ホムンクルスなんです‼︎」
グリード達が勝手にしてた勘違いも解いてアルは続けざまにグリードの事もイズミにバラす
「なっ…何を言い出す…」
「だから‼︎ボク達が元の身体に戻るヒントを待ってるんですよ!兄さんに知らせないと‼︎」
急なアルの暴露にイズミはついていけなくて目が点になる…令美もアルの爆走はいかがなものかと呆れる
「慌て過ぎ…少し落ち着けば?アル」
「でもレイミさん…!」
「あぁそいつボコって秘密吐かせりゃいいのね」
「そうだけど…うわー‼︎師匠ケガひどいよ‼︎」
イズミはあまり理解してなくグリードを倒せばいいと言うがイズミの右手から先ほどのケガの出血が未だに止まってない
「あぁもうゴチャゴチャと!つまりこうだ‼︎俺はこいつらにホムンクルスの製造方法を教える、こいつの兄貴は俺に魂の錬成方法を教える…どうだ‼︎」
「取り引きか…!」
話がまとまらなくついにキレたグリードが双方の目的を整理してまとめた
「等価交換だろ?穏便にやろうや…」
「誘拐犯の言う事きけって?…ふざけんじゃ…」
「師匠‼︎お願いです‼︎兄さんを連れて来てください‼︎」
グリードの提案にイズミは断固拒否したいがアルに止められる…兄弟にとってメリットの方が大きいとアルの考えだろう
「…だがレイミは返してもらう…取り引きには関係ない子だ、それだけは譲らん」
「えー俺のお気に入りだったのに…イエ返します…」
仕方なくアルのために折れたイズミだが令美だけは譲らなかった美人を手放すのはイヤだったグリードは最初反対してたが恐ろしいイズミの睨みで諦めた
「じゃ私帰るからね」
「すみません…レイミさん大変なことに巻き込んでしまって」
帰ることが決まり令美はアルに声をかけた令美にとって大変な事じゃなかったがアルは律儀に謝った
「…気にしてない、まぁせいぜい頑張って…あのエドが素直に等価交換してくれるといいけどね」
「……え」
「あんたグリードって言ったっけ?」
令美の残した言葉に疑問が残るアルを余所にイズミはグリードに話す
「私ら錬金術師ってのは作り出す側の人間だからこういうのは好まないんだけど…」
「…」
「私の身内の者にもしもの事があったらその時は遠慮無くぶっ壊す」
グリードに最恐の忠告するとイズミは令美を連れて帰った…途中で女性に囲まれてる旦那を見つけて修羅場になったが…