この犬









 『 あ、でた神奈 令美

   また本部の一部崩壊させたんでしょ 』

『 あんなに可愛くても女王様じゃなー 』

 『 勘弁してほしいよ、

      化け物と一緒にされちゃ… 』

    『 家族殺しのくせにー… 』





令美は今、アル達と敵の所へ向かっていた

一緒に行くと言った令美に最初、ウィンリィとアルから大反対をもらったが、そんな2人に臆することなく令美は無理やりついてきた
「レイミさん本当に気をつけて下さいよ‼︎」
「…分かってるってば」
「何があってからじゃ遅いんです!危なくなったら逃げて下さいね‼︎」
「……分かった」
向かいながらもアルが口うるさく令美に何度も注意する…最初気楽すぎるリンが口出したら倍の圧力で説明するアルにリンも令美も黙って聞いてるしかなかった

「…もうこの話はおしまい、私は大丈夫よ」
「あっ!レイミさん‼︎」
しつこいアルに令美は我慢できなくなり強制的に終わらせる…アルはまだ言い足りなそうだが


   令美達を前に、一匹の犬が現れた


「何?この犬」
急に現れた野良犬に令美は汚いモノを見る目で見た…普通の犬にしか見えないがリンの部下が容赦なく2本のクナイを犬に刺す

「な…なんだ今の…」
「…こいつ…」

犬だった姿が人間へ変わりだすのにアルやみんなが驚く…人間へと変わったソレは令美の知ってる人物
「このっ…ブッ…殺…潰してやるぞ‼︎」
太ももにウロボロスのイレズミを発見したアルは奴がホムンクルスだと分かった…だから傷ついた目も治っていく、それにリンの目の色が変わった

「?こちらさん変わった中身してるネ」
「!…このっ次から次へと始末しなきゃならない奴が増えやがって…」
令美と会った時はヘラヘラと笑っていたのに今は怒りの表情を見せているホムンクルス…

「ふっかーつ!エンヴィーこいつら食べていいの?」
「よっしゃ!行け!食え!丸かじれ!絶対にカンナ レイミだけは殺せ‼︎」
姿を変えれる方がエンヴィーとなんでも食べる丸っこいホムンクルス2体は令美達をここで始末したいみたいで特に令美が1番に狙われてるらしい

「アル、先に行っていいよ」
「え?」
リンとその部下がホムンクルスが不老不死の身体じゃないかと盛り上がってる中、令美はアルだけ先に行かせることにした
「まだあのおっさん達近くにいるから走れば間に合う…助けたいんでしょ?」
「でも!レイミさんをおいてなんて…!」
大佐達の心配してるアルはもちろん令美の心配もしてる、ここにホムンクルスがいて令美を残して行くことなんて出来ない、だが令美は…



 「…私は大丈夫…

     この私が負けるわけないでしょ 」



「…レイミさん…」
「何故かあいつらの目的は私みたいだけどノーテンキな王子を盾にするから大丈夫よ…

手遅れになる前に助けたいんでしょ」

「……はい!」

令美に後押しされアルは走って大佐のところへ向かった
「僕を盾にするなんてヒドイこと言うナ〜」
「意外と頑丈そうだし、もう一つの盾もあんだしいいじゃない」
「私はお前の盾じゃないゾ」


「興味津々なくせに…


(不老不死の身体がどうかは分かんないけど…)」




◇◆◇◆


マスタング大佐の作戦は成功したと言える

それは偶然でアルが第五研究所で戦ったバリーがリザと出会い…何故かバリーに気に入られたため今回の作戦に参加させれば…

バリーの『肉体』が邪魔してきた…魂がないバリーの肉体が動く原理は不明だが魂を求めているようだった…

アルが大佐ど合流した時、バリーが肉体を殺そうとしたためか、バリーの肉体が逃げ出した…その後を車で追う所だった、アルは覚悟をもって一緒に行きたいと言った…



狭い車の中、アルは大佐にウロボロスのイレズミがある人はホムンクルスだと打ち明けた…もちろん信じられないだろうが…ホムンクルスを相手にしたリザ達の証言もあり認めざるおえなかった…

そしてアル達は軍の施設…第三研究所へついた…








アカシ-Tsukimi