参上‼︎





      『素晴らしい…っっ‼︎』

(幼いながらによく覚えてるのは大きな大人に囲まれてる自分だった)

『これこそが神から授かった神に近いし力…!』

  『………いいや、神 そのものだ‼︎』

(みんな笑っていて…みんな私を神だと崇める…)

『…是非ともその力を我が国のために…っっ‼︎』

 『独占など、許し難い…ここは穏便に…』

『平等は無理でしょう…我が国がいくら払ってるとおおもいで…?』

『それなら我が国も…!』


        (……汚い)


(笑っていても、褒められても、崇められても…

私の瞳には大人は全て醜く穢らわしいモノにしか見えない)


『…分かっただろう…これが君の力だ…

    さぁ…令美こっちへ来るんだ…』


  (…汚い…汚い…汚い…

         でも、私もきたない…)





朝日がまだ出てない時間、薄暗い部屋の中令美は目覚め悪く、気分は最悪…隣で寝ているウィンリィはぐっすり寝ていて令美に気づいてない

「…やっぱり読むんじゃなかった…」
アリスの中でも令美は『心読み』の力をあまり使わない、あの力は精神が強く無神経な奴が持つべきだと令美は思ってる

令美は少し影響を受けてしまう…だからあんな夢を見てしまう


       ◇◆◇◆◇◆

 「お困りの様ですね‼︎国家錬金術師…

      エドワード・エルリック参上‼︎」

次の日、朝からエドとそのお付きのアルと令美は街中で困ってる人々をお助けするため大忙し

「…少しやりすぎなんじゃない…あと顔ヘン」
「……あはは…」
事故で破壊された店や壺や杖、柱なんかすべて無償で直してやり、エドの名を広める…ベビーカーなどを直すときセンスが悪くなるのがアレだがエドはあっという間に街の人達の人気者になった

アルと令美の役割は扇子や紙吹雪を使ってエドをアピールするだけ…令美はもう帰りたい

「ぶえっくし‼︎…ぶはははは!街中オレの噂でもちきりのようだな!」
「さすがにこれだけ派手にやればね…」
「うるさい(…イヤでもエドの話が聞こえてくる)」

噂も広がり、ただ今休憩中オープンカフェでエドは豪快なくしゃみをして気分が良い
「オレの評判は広がりスカーも釣れる一石二鳥だぜ」
「あとは早くスカーの耳に兄さんの名が届くのを待つのみだね」
「…意外と早いんじゃない?」

と、のん気にお茶してるエド達の前に一台の車が止まった

「ガラにも無い事をしてるな…鋼の」

車の後部座席から地獄耳を持った大佐が声をかけてきた、運転席にはもちろんリザが乗っている


「死に損ない…」
コソコソとエドと大佐が話し合い中、興味のない令美はケーキを食べる…退院した大佐に悪態つきながら

「レイミ‼︎行くぞ‼︎」
「はいはい…」
情報交換するために場所移動することになった、ここでは人が多いのと車の中ではアルが入るとゆっくり話せないから…のんきな令美を呼ぶエドに令美はケーキも食べ終わったし、素直に言うことをきく

「ほぉ〜随分と仲良くなったな…鋼の」
「うるさい、セクハラおやじ」
「‼︎‼︎」
大佐に対して令美の態度がキツすぎる理由はまだみんな知らない…女性に対してジェントルマンな大佐はいつもやられっぱなしだ…

『……』
エド達は同情しか出来ない





◇◆◇◆


「マルコーさんと賢者の石が行方不明⁉︎」

人気のない場所に移動して、まず大佐からマルコーの話を聞く
「おそらく奴らにさらわれたのだろう…」
「なんで…くそっ‼︎

マルコーさんはかつて軍の研究所で石を作っていた、それはイシュヴァールで利用されたと言っていた…

賢者の石、人造人間、軍の暗部、イシュヴァール…どういうつながりだ?

イシュヴァールで何があった⁉︎」

イシュヴァールの戦争を知らないエドが思考を巡らせようが答えは出ない…令美はまったく興味なし


「……!」

「イシュヴァールと言えばスカーが来ているそうだな…鋼のここ数日の奴らにみつけてくれと言わんばかりの行動はなんだ」
大佐がマルコーからスカーの話へと変えた、エドもこれ以上マルコーについて考えても仕方ないと思ったのか話にのる
「見つけてほしいんだよ…奴とはもう一度戦わなきゃならねぇ…」
「バカを言うな!イーストシティの戦いを忘れたのか⁉︎」


「アル、来るよ」
「え?」
大佐がエドを止めるがエドが言う事聞く訳なく、2人は言い争いを始めた…その隣で令美はアルに忠告、リザは銃を取り出す

「…出た…‼︎」

エド達の前にスカーが現れた










アカシ-Tsukimi