おやすみ

ーNo sideー




初等部B組は何かと問題が多いため、毎日が騒がしくハプニングだらけと思われがちだが…普通で平凡な日の方が実は多い

だが普通で平凡な日だからといって『大変じゃない』…というわけじゃない

「名前ー‼︎助けて蛍がぁー‼︎」
「どうしました?蜜柑」

「名前くん少しお願いがあるんだ手伝ってもらってもいいかな?」
「委員長、はい大丈夫ですよ」

「名前、少し実験に付き合ってもらえないかしら?」
「……変な実験はやめてくださいね蛍」


「………」



棗は気づいていた立場的に名前はよく人に頼られる…毎日、誰かしらに頼み事されて優しい名前は絶対に断らない
「…名前、動物の事で相談があるんだけど…」
「僕で役立てることがあるなら」

「……」

棗と名前の2人の関係は“一応”秘密であるため表立って会えないのに名前は毎日忙しい…ここ数日名前と2人っきりで過ごしてない棗は…
「………………」

もう、我慢の限界である



「名前ー!明日一緒にセントラルタウンに行こうや‼︎色んなモン見て遊んでそんでホワロン食べよ‼︎」
「…えぇ、いいです」

「おい、ブス 明日そいつに用があんのは俺だ」

貴重な学園の休日、ほとんどの人がセントラルタウンに遊びに行く日、いつも通り蜜柑に誘われた名前だが返事をする前に邪魔が入った

「なっ…棗⁉︎」
「名前の明日は俺がもらうテメーは1人で行け」
「なんでや‼︎なんで名前の予定を棗が勝手に決めんの‼︎」

「…」

棗の乱入に名前が驚いてる間に 棗 対 蜜柑 のバトルが始まっていた…秒殺で蜜柑が負けたが…状況に頭追いつかない名前だけどここは棗に乗っておこうと考えた

「…申し訳ありません蜜柑、次の休みには一緒にセントラルタウンに行きましょう」
「うぅ〜っ名前〜っ」




そして明日を待たずにその日の夜、棗の部屋に呼び出された名前

「ん〜っ!何だか久しぶりですね2人っきりになるのは」
「色々メンドー見過ぎなんだよお前は」
開放的な気分になった名前は久しぶりに入る棗の部屋でのんびりする
「仕方ないじゃないですか…困ってる人は“助けない”といけないんですよー」
「どの口が言ってんだよ」
名前が善人で人を助けてないと知ってる棗、名前は蜜柑と違ってお人好しではない

「大丈夫です、楽しい事もありますし…全ては自分のためです」


「我慢すんな」


ゆっくりと棗に押し倒された名前はふかふかのベットの上で棗を見上げる
「俺の前でウソつくな」
「……ウソなんてついてないです、言ったでしょ人助けは僕のためでもあるんです…だから大丈夫です」
名前は気づいてない、自分が疲れてることや無理してること、そして自分を隠すのがすごく上手いため誰にも気付かれない、ゆえに自分の事に鈍感になった…それを棗は知ってる


「お前の気持ちなんか知らねーよ

   俺の前で我慢すんなって言ってんだよ

 少しは甘えろ」

  「……」

横暴な言い方な棗の発言に名前は一時停止…それから笑い出した
「そんな事言うなんて…‼︎クッ!あははっ‼︎」

名前の笑うたびに棗の目つきが悪くなる…

「名前…」
「だって‼︎あははっ‼︎面白くて…っ‼︎」


それでも名前は止まらなくてついに棗がキレて…

噛みつくように、キスをした

「っ⁉︎……はぁ…んっ…なっ…」
「…」
恋愛事に初心者な名前は深いキスになれてない…棗は名前のためにキスの最中、呼吸出来るように口を離す…がまたすぐに深いキスの繰り返し…

「んっ、んっ…なつめ、まっ…んぅ!」
「…」

棗が満足した時には名前は少しの酸欠状態…そしたら名前の笑いも棗の怒りもおさまっていた
「…はぁ…これって休憩ですか?」
「お前が素直にならねぇせいだ、俺はまだ足りねえけどな…」


「……確かに…僕もです」


珍しく名前が甘えて、長い夜を過ごすかと思ったら…疲れた身体に棗のふかふかのベットは天敵で瞬殺で寝てしまう名前…しかも寝不足だったのかまったく起きない名前が起きたのは日曜過ぎて月曜の朝…棗は完全におあずけをくらった…

「……」

ゆっくり休めた名前の体調は絶好調、反対に棗の機嫌は最悪で、その八つ当たりされる蜜柑が名前に泣きつくのはいつもの日常だった





 
              ーNo side endー
記念Tsukimi