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03.5 >> 色彩豊かな非現実 side 佐助  [1/1]

ここは何処だ?見慣れない物、見慣れない一室。

それなのに扉が開いた時、驚きはしなかった。主君がこの玲魅と呼ばれる奴で、今来た長髪の女は従者。つまり戦闘になるだけ。


「玲魅から離れろ」


殺気を放つそいつは俺様の目を射抜くように見つめ、袋竹刀に鍔を付けたような物を腰から引き抜いた。忍びに似た気を放っているからてっきりクナイでも飛んで来るかと思ったが、まさか変わった刀を使うとは。
じっくり観察していると、そいつは痺れを切らしたように斬り掛かって来た。さっとクナイで受け止める。


「離れろって言ってんのが聞こえないのか」
「じゃあアンタが説明してくれる?」
「んなこたァどうでもいいんだよ!とっとと離れやがれ!」


女としてなっていない言葉遣いだ。
自分が踏みつけている短髪の女を一瞥していると、その隙を付いた長髪の女に弾き飛ばされた。
というか俺様が退いてあげたんだけどさ。


「玲魅っ、大丈夫か!?」


息が出来るようになったらしい短髪の女は暫く咳き込んでから、感謝の意を述べていた。


「ありがと…歌淋…」


長髪の女は安心したように笑った。


「で、何で攫ったの?」


向けるクナイ。向けられる視線。互いの殺気が絡み合った。
殺してしまうのは勿体無い。少々傷付けてあとは短髪女に吐かせたらいいだろう。


「下衆野郎共にも言ったが、俺等は何にも知らねぇ。貴様等が勝手に降ってきた、そして何の罪もない玲魅を傷付けたんだ!」


歌淋と呼ばれるその女は此方に飛び出してきて竹の刀で斬ろうとしてきた。クナイで応戦するが、此奴はその竹の刀を捨てる勢いで向かってきている。

(何か裏があるのか……っ!?)

そう判断した瞬間竹の刀を力一杯押し付けられ、案の定懐から短刀が出てきた。それをもクナイで受け止めあしらうように払う。しかし奴は身をよろけさせる事なく斬り掛かってきた。


「俺は忍が一番嫌いなんだよ、愚図野郎!」


見慣れた眼。その眼には鋭い憎悪と殺気が詰まっていた。


「歌淋、やめて!」


主人らしき短髪女が叫んだ。


「彼等は悪くないの!混乱してただけなのよ!」


何を言っているんだこいつは。殺されそうになったんだぜ?何故庇う必要がある。


「玲魅を傷付けた時点でそんな言い訳は通用しない!」
「いい加減にして!」


ビリッと漂っていた殺気が一気に弱まった。チャンスだ。
短刀を払い退けて右肩に容赦なくクナイをぶち込んだ。


「あっぐ!」
「歌淋!」


よろけた所にもう一発クナイをぶち込む。壁に叩きつけられた女は、肩と腹から血を流しながらこちらを睨んでいた。短髪の女が心配そうに駆け寄る。その瞬間、崩れ落ちた筈の女から鋭い殺気が迸った。この俺様でも思わず膝を付きたくなるくらいの。短髪の女が怯えたように床に崩れ落ちる。それを見て少々放心状態だった女が殺気を仕舞った。本人は少し反省したような、苦しそうな表情をしている。

(何なんだ、コイツは……!?)


「すまん、大丈夫か玲魅」
「あっうん!あの、歌淋こそ大丈夫!?凄い血……」
「平気だこれくらい。触るなよ、菌でも付いてたらマズいからな」


こいつが纏う殺気は、何故か俺様によく似ている気がした。



忍のような女
(まるで同族)(理解出来ないね)


2011/08/24
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003の佐助目線


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