掴みかけた手
>> 愚かな自分をわらって [3/4]
ひよりは今医者に治療して貰っている。
某がひよりを傷付けてしまった。
後悔と自責の念にかられ、拳が震え、身体中が熱くなる。彼女が居なくなってしまいそうで怖い。しかも己の愚かさのせいで。
そんな気分の中で、お館様へ報告をする。
「某が、あの時ひより殿の手を掴んでおれば……!某がひより殿にお怪我をさせたのでございます!某のせいでひより殿はっ!もうひより殿に見せる顔がございませぬ!」
「馬鹿者がァア!」
「ぶべらぁ!」
自分の体が宙を舞ったのが解った。鋭い痛みが骨の髄まで伝わってくる。
熱くなっていた身体が、少し冷えたような気がした。
「幸村!自分を責めても何にもなりはせん!そこまでひより殿を想うなら最後までひより殿の傍に付かんかァア!」
「お館様ぁ!」
「幸村ぁ!」
「お館様ぁ!」
「幸村ぁ!」
「お館さm―─」
「お館様」
そっと、佐助が襖を開けた。お館様と某は叫び合う体勢のまま、佐助の方へと視線を向ける。
「ひより殿が目覚められました」