先程からじい、と見つめてくる視線を感じる。特に不愉快という訳では無いのだが、些か居心地が悪い。額にある痣のお陰で、奇異な物を見る冷たい視線には慣れているが、この娘の温かな眼差しにはどうにも慣れなかった。それ故に問いかける。
「私の顔に何か用事でも?」
「…え、あ、すみません!不躾でしたね」
「それは構わんが。言いたい事があるならば、聞こう」
そう言うと、幾らか躊躇い俯いた。控え目な彼女の言葉を待つ。相手を傷付けぬ様に幾重も注意を払って、伝えようとするのは彼女の癖だ。その所為で伝えたいであろう事柄が、伝わらないのもしばしばだが。
「お顔…痛くはありませんか?」
「…この痣の事か。案ずる程の痛みは無い」
「そうなんですか、それは良かった…じゃなくて!顔全体です!」
「…全体?顔に怪我をした覚えも無いが」
はて、何を言いたいのやら。やはり彼女の言は少しばかり難解である。こんな時、軍師と名乗っている己を不甲斐なく思うのだが、先日彼女にそう呟けば『私の言い方が悪いんです!官兵衛殿は賢いに決まってます!』と宣言されたのだった。…等と思い出している内に、彼女はあろうことか私の頬に手を添えた。
「…紫苑、殿……?」
「日に焼けて赤くなっていらっしゃいます。冷やした方が宜しいのでは…」
「…嗚呼、」
そういう事か。彼女が心配そうに此方を伺う理由に合点がいった。昨日、日が照りつける中、兵の訓練する様を見て回った所為だろう。元々、肌は強い性質では無い。姿見でしっかりと確認してはいないが、常に青白い私の肌はきっと赤味を帯びている筈だ。
「特に痛みは無い。少々、火照る感じはあるが気にはならぬ」
「でも…冷や布、ご用意しましょうか」
「いらぬ。卿の手で充分心地良い」
「…!」
…抜かった。つい本音を呟いてしまった。彼女の、冷え性なのかひやりとした掌は、確かに気持ちが良かった。…であるが、私は彼女に何を期待しているのだろう。斯様な戯れ言、彼女を困惑させるだけであろうに。
「…今のは忘れてくれ」
「い、いいえ!私の手なんかで良ければ、幾らでもお貸しします!」
「ならば…頼めるか」
「はい!」
気まずさに顔を背けたのだが、彼女は笑顔で両手を差し出した。その屈託のない笑みに思わず絆され、私は彼女に向き直る。彼女は元気に頷いた後、「早くいつもの顔色に戻ると良いですね!」と又、笑った。
君はおかしなことを言う人だ
今の方が健康そうだろうに
(そうですけど…私はやっぱり、いつもの官兵衛殿が良いです)
(…そうか。卿が望むならば治す様に努めよう)
(はい!後できちんと冷やして下さいな)
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バカップr(ry
本人達は至って真面目なんです。…が、何かもうくっついてしまえよお前たち!とか書いてる天倉が一番思った^^^^
でもこんなもどかしい関係が好きだったりする!
ネタ提供は相棒おとまさ。日焼けた官兵衛殿は、キャラのカラー変更で試してみたけど違和感たっぷりでした(笑)
夢絵にしたい…(ぽつり)
title thanks:泣き虫ヒーロー
20100918
天倉