07-2:お兄ちゃんと呼んだ場合

封印されなかった世界線。

「おそ松お兄ちゃん」と呼んだ場合

「……」
ガタタッ
「!?」
「ちょー!おそ松兄さん!ストップ!ストーップ!!」
「ハッ!?え!?何この状況こわっ!?」
「いいから早くなまえ姉さんからどいて!」
「お、おう」
「姉さん、大丈夫?」
「う、うん……急にへんなこと言ってごめんね、おそ松」
「……」

真顔で押し倒される。普段長男長女政権を争っている相手が突然の全面降伏をしたことでおそ松の中の何かがぶっ飛ぶ。支配欲が爆発してほぼ無意識に押し倒しちゃう。(その後何ができるわけでもない)



「カラ松お兄ちゃん」と呼んだ場合

「なっ……え゛?ちょ、ちょーっと聞こえなかったなあ、シスター。悪いが、もう一回呼んでもらえないか?」
「カラ松お兄ちゃん」
「ン゛ッ……ワ、ワンモア……」
「カラ松お兄ちゃん?」
「ン゛ン゛ッ……ワ、ワンモア!」
「カラ松お兄ちゃん!」
「ン゛ン゛ン゛ッ……ワ、ワンモ「しつけーんだよカラ松!」」

何回も呼ばせる。呼ばれ方変わっただけで「頼られてる感」を堪能できるコスパのいい男。カラ松は純粋に下の面倒見るのが好きだから妹のていでいけばめちゃくそに甘やかしてくれる。



「チョロ松お兄ちゃん」と呼んだ場合

「は?何それ、何かの罰ゲーム?どーせまたあのバカな長男の入れ知恵だろ?言っとくけど、僕別に妹属性とかないから。残念だったねえ、思惑が外れて。まあでも僕もちょうど暇してたところだし、なまえのごっこ遊びに付き合ってやってもいいけど。とりあえずカフェでも行く?お兄ちゃんらしく奢ってやるよ」
「あはは!チョロ松にーさんノリノリだね!」

ノリノリである。全力で妹萌えする。何かにつけてお兄ちゃんと呼ばせて自尊心を得る。あと色々買ってくれたりプレゼントしてくれたり聞いてもないのに難しいワードの(間違った)解釈を説いてきたりする。面倒くさい。