06-2:意地悪のあと

「つーわけだから……俺今日なまえのとこで寝るわ」

痛い痛い痛い弟たちの視線が痛い!!!今はとなりになまえがいるから何も言われねーけどあとで殺しにきそう!でもしょうがない!これは不可抗力!俺達の部屋になまえが来るんじゃなくてなまえの部屋に俺が行くことになったのも不可抗力だから!うん!
……っていやいやいや何でえええええええ!?!?!?えっ?何々々どういうこと?お兄ちゃん全っ然わかんないんだけど!?何で俺達の部屋じゃだめなの!?何でなまえの部屋なの!?なまえの部屋自体入るの何年ぶりってレベルよ!?んでいきなり二人きりで???しかも夜で???一緒に寝ます???やっっっべーーーこれやっべーーーー!!理性保てる自信ない!エロいことしか考えらんねーもん!
いやでもこれさー、こんな状況それこそ不可抗力じゃない?だってエロいことやってくださいって言ってるようなもんじゃん!そんなんさー、何されても文句言えないよね?自業自得だって!こんな状況生み出すなまえが悪いから!俺どっちかっつーと被害者だから!!

「おそ松?」
「はあっ!?何!!」
「緊張してる?」
「してねーし!するわけねーし!妹の部屋行くだけで緊張するとか童貞じゃん!」
「いやおそ松童貞だし私姉」
「……そーいやいつも俺らだけ童貞童貞言ってっけど、なまえはどうなの?」
「ん?知りたい?」

知りたくない!!!いや知りたいんだけど知りたくない!!!!

「なーいしょ」

可愛い!!!くそ!!!!もーすっげー好き!!!!

「んだよそれ。可愛いと思ってやってんの?歳考えろよ」
「ええごめんなさい……」

嘘!!!ぶっちゃけめちゃくちゃ可愛い!!!いつも意地悪ばっかしちゃってほんとごめんね!!!あと多分今日やっちゃうけどごめんね!!!

「うわ……なんかめっちゃなまえの匂いする……」
「えっくさい!?」
「いや臭いとかじゃないけど……」

エロい。匂いだけでくらくらする。なんだこれ。まだ部屋入っただけだよベッドインすらしてないよ。匂いで酔わせるって何者?魔女かなんかなの?

「ほら、おそ松こっち」

うっわーーーーー布団ーーーーー!めっちゃ布団ーーーー!完全に一人用の布団だよこれ!やばいってぇこれだめだって!うおおお収まれ俺えええ俺ってか俺の俺えええええ

「ねえはーやーくー!」
「……」

やべぇ、全然喋れねぇ……!俺どうしちゃったの!?いつもみたいに軽口叩けよ!こんな、黙ったらさ……!いよいよ今からって感じになるじゃん!すげー気まずいじゃん!ばか!何か喋れ俺!!

「……あのさ、おそ松。結構本気で嫌?」
「は?」
「いや、だってずっと真顔だし何にも喋んないし……」
「い、いやいやいや別に本気じゃないよ!?全っ然!全然本気になんかしてないし!?」

何?これ噛み合ってる?答えになってるこれ??もう自分で何言ってるか全然わかんねぇ。

「はあ……しょーがないなー。じゃあ選ばせてあげる。私の部屋で1人で贖罪するか、おそ松達の部屋で皆を巻き込むか。六つ子の部屋に行く場合はおそ松が皆を説得してよね」

ここに来て選択肢!?!?いやいやいや選ぶまでもないっしょ!またとないチャンスよ!?これ逃したら次はいつくるか全然わかんないからね!?男なら!答えは決まってらい!!

「あれ、おそ松兄さん……と姉さん!えっどういうこと!?」
「俺には無理だった……」
「ごめん、皆。また一晩泊めてもらえる??」

んで。トド松と俺の間になまえを入れたはいいものの、普段から過剰スキンシップしてる末弟に見事にかっさわれた。俺の馬鹿!!!