トド松と5人の悪魔 前日譚

「いっしゃいませー」
「やっほ、トド松」
「なまえ姉さん!?なんで……」
「ごめん、どうしても気になって来ちゃった」
「来ないでよ、恥ずかしいなー……ちゃんと買ってってくれるんだよね?」
「もちろん。トド松のおすすめ教えて?」
「……これと、これ。あーあと姉さんにはこれがいいかも。季節限定、結構人気あるよ」
「じゃ、それショートサイズで6個」
「ちょっと待って!?」
「ん?」
「その6個、どう分配するの?」
「え、もちろん残りの兄弟松でいただくよー」
「だ・め!兄さん達には内緒だって言ったでしょ!」
「トド松が働いてたって言わないよ?」
「言わなくてもだめなの!普段買わないもの買ってったら何でかな?ってなるでしょ!」
「なるかなあ。やったーらっきーくらいにしか思わないんじゃない?あいつら結構抜けてるよ」
「確かにその可能性は高いけど……。なるべく危険因子は排除しておきたいの。だから普通に姉さんの分だけ買ってここで飲んでって。カップも持ち帰っちゃだめだからね!」
「わかったよ〜。折角見つけたバイト、邪魔されたくないもんね」
「うん」
「じゃ、さっきのやつ一個」
「320円になります。……はい、丁度お預かりしました。赤い松の下でお待ち下さい」
「トド松」
「何?」
「はたから見ても格好いいよ。彼女、すぐできるかもね(小声)」
「〜〜っもう!いちいちからかわないでよ!」