「ねえ、ねえチョロ松。おそ松とトド松どうかしたの……？何か今日元気無さすぎて気持ち悪いんだけど」
「ああ……実はなまえには黙っとけって言われてたんだけど……まあもう実害でちゃってるし話していいかあ。何かね、二人で合コン行ったらしいよ」
「え！？ほんとに！？で、上手くいったの！？」
「大体察しつくだろ！玉砕したんだよ！」
「あ、ああ〜なるほど……」
「でもまあトド松はまだマシなかんじ……」
「お、一松。と言いますと？」
「いや何となくなんだけどさ……トド松はおそ松兄さんに引っ張られてるだけな感じがするんだよね」
「僕もそう思う！」
「あ。お帰り十四松」
「そもそもさ、おそ松にーさんて合コン当日はすっげー元気だったよね？」
「ああ、クソウザイくらいにな！」
「当日はトド松の方が放心気味だったけど……そっから二、三日くらい？して、おそ松兄さんの様子がおかしくなったんだよね」
「ふうむ……じゃあそのタイミングでおそ松に何かあったってことか」
「フッ……恋の病だったりしてな……」
「カラ松いたの」
「ええっ？最初から同じ部屋にいたんだけど！？」
「ただいまー」
「あ、トド松おかえり！」
「あートド松、もうめんどくせーからお前もこっちこい」
「ええ？何……？」
「単刀直入に聞くけど、こないだの合コンで何かあった？」
「ええちょっと！なまえ姉さんには言わないでって言ったじゃん！」
「ごめんねトド松、私が無理に聞いたの。二人とも元気無さそうだから気になっちゃって……」
「はあ……もう、分かったよ……心配しなくていいよ、姉さん。僕もおそ松兄さんも、しばらくほっといてくれればいいから」
「……何もしない方がいい？」
「うん。そうだね。今はほっといてあげて」
「分かった……おそ松さ、本気で好きな子できたのかな」
「いや、そういうんではないんだけど……あー、何だろ。ちょっとした女性不振みたいなかんじだから、しばらくすれば元に戻るよ」
「そっか……ありがとう、トド松」
「いいえ」
(って言われてたのに早速おそ松と二人きりになってしまった……！)
「……」
「……(ど、どうしよう！？あっ、おそ松に抱きついていい権利使わせてもらう！？いやいやいやだめでしょ、多分この雰囲気、とりつく島もないよ、断られたら私の方が心壊れるよ！むり！ここは漫画でも読みながら他の松がくるのを待とう……)」
「なあ」
「ひゃえっ！？な、な、何……！？」
「あ？何でそんなにキョドってんの？」
「え、いや！漫画に集中しててさ！あはは！ごめんね！」
「あっそ。……あのさあ。なまえもさあ、つまんない時に無理して楽しいように振る舞ったりすんの？」
「え……」
「なんかさあ……こないだ喋った女の子がそんな感じだったんだよねー。俺はそん時すげー楽しかったから、結構……あー、なんだ……ちょっと、分かんなくなった。そういうのって、どういう感情なの？」
「(な、なるほど、そういうことか……)空気読んで楽しいように振る舞うことは確かにあるけど……それは相手の気分を害さないためにかなあ……自分が我慢すれば丸く収まるなら、そうしちゃうかも。よくわかんないけど、その女の子もその場ではおそ松に楽しんでほしかったんじゃない？」
「んんん〜……ちげーんだよなあ……。自分が楽しむためにそうしたって言ってたんだよなあ……」
「あーそっちかあ……」
「えっ！？やっぱお前も心当たりある！？」
「んんん超究極的防衛本能が発動したときごく稀になる……」
「まじかよ！なんで？つまんないなら帰ればよくない！？おかげで俺の純情が完全に弄ばれたんだけど！？」
「状況がわかんないからなんとも言えないけど……おそ松、その子に何か変なこと言ったんじゃない？」
「うん。言ったよ」
「自覚あるの！？それだよ！！それのせい！！」
「え？何で？どういうこと？」
「多分、おそ松ヤバイ奴だと思われたんだよ」
「まじか！いやあ照れるなあ〜」
「いや照れる意味がわからん……で、帰るに帰れない雰囲気だったんじゃない？そしたら同じ時間嫌な気持ちで過ごすより、自分もバカになって楽しんだ方がいいって思ったんじゃないかな」
「えー女子っていちいちそんなこと考えてんの！？何だよそれめんどくせー！めんどくさい通りすぎてもうこえーよ！オカルトだよ！」
「まあ、正直自覚があるなら自業自得かな……」
「だってよー、初めて会う男の前で生足とノースリーブでくるんだぜ？ちょいっちょい脇チラしたり足ぶつかったりさあ。そんなん最早童貞に対するエロハラじゃね？」
「あああ……それは童貞との相性が悪かったね。ご愁傷様」
「あーあー！どっかに可愛くて彼女になってくれる子いないかなー！」
「これまでご愛顧いただきありがとうございました！おそ松先生の次回作にご期待ください！」
「おい！打ち切んな！まだ始まってねえわ！」
(元気になってくれてよかった)