旅行先でも妻がエロすぎて困るアオキさんの話A

自分は今、ナマエさんと共に温泉に来ている。

突然上司に呼び出されたため渋々出向いたところ、「休暇を与えますので奥方と旅行にでも」と疑うような一言が待っていた。
……あれは本当に、トップだったのだろうか? 忙しい毎日に押し潰されそうな自分がこんな享楽を得て、もしかして夢なのではないか? 何度訝しんでも答えは出ないので、それならと今の状況を味わうことにした。



個室での夕食を終え、客室で寛ぐ。夕餉時、「地酒もありますよ」と女将に勧められたものはキレのある辛口で美味く、出された料理との一体感が生まれていた。おいしさが増幅した為か、二人してほろ酔い気分である。……自分はそれと関係なく食欲旺盛ではあるが。

「おなかいっぱいですね〜」

「自分はまだいけますよ」

「ふふふ、相変わらずアオキさんの食べっぷりには見入っちゃいました」

過度に酔っているわけではなさそうだが、うっすらと色づいた頬と潤いをもった唇がどうも艶めかしい。夜風にあたると消えてしまいそうな色気は、自分の中にだけ閉じ込めておきたい。

「……家が一番落ち着くのは変わらんのですが、ミョウジさんとこうやって旅先でうまいもん食べて寛ぐのも自分は好きです」

「わたしも! 家に帰りたいけど帰りたくない、矛盾してますよね〜」

わたし旅館のベッドも好きです! と言ってそこへごろんと横になり、自分を手招きする。シーツに散らばったナマエさんの髪を一房掬うと、同じ旅館のシャンプーを使ったはずなのに甘い匂いがする。首から肩にかけた女性らしい流れと、浴衣から投げ出された足に思わずドキリとした。彼女は自分の心を見透かすように、やわらかい唇でキスを落とすと上目遣いでこう言った。

「……アオキさん、しよ」






浴衣の上から彼女の胸に触れるとやはり下着は着けていないようで、手のひらにあたる頂の感触に集中した。何度か揉んでやると、柔らかいはずのそこがだんだんと主張してきた。布地の上から指の腹で乳首を擦れば、またナマエさんの声が甘く聞こえる。もっと、と赤くなった顔で囁かれてしまうともう止まれなくなる。止まるつもりなど全く無いが。

「あぁあっ! や、ぁ、っん、アオキ、さん」

「ナマエさん、浴衣姿も……いいですね……」

自分のいたずらで胸元がはだけてしまった姿に、どうにも自身が大きくなった気がした。
もともとナマエさんは可愛く、自分を翻弄させるのが上手い人だ。だが非日常の姿から隠しきれない色気を溢れさせているのは、いただけない。これ以上自分をどうするつもりだ。
おのずと二つの膨らみに手が伸びる自分にどうしようもないなと思う。むき出しにさせたナマエさんの乳首を捏ねるように、そして空いているもう片方を口に含んだ。

「あっ、アオキさんの、えっち」

「何とでも言ってください。興奮するだけなので」

含んだ先端はもはや柔らかさなどかけらもなく、硬く尖りを見せている。咥内でそこを喰むように弄び、もう一方を二本の指で摘まみ、そっと擦りあげた。舌先で赤くぷっくりしたそこを何度も刺激すると、彼女が荒くなった息づかいのなか高い声で鳴く。

乱れた浴衣からちらりと見える、もはや意味をなさないであろう彼女の下着。指先で一撫ですると、やはりぐしょぐしょに濡れそぼっている。すぐさま下着を脱がせると、彼女の蜜があふれるところへ指を沈めた。そして関節部分で何度か折り曲げ、官能的なところにある蕾を指の腹で擦り続ける。

「や、あぁぁ、ん、ぁ、そこ……ふぁ、きもちぃ」

ナマエさんの表情さえも蕩けきっている。先に攻めていた胸の蕾が寂しそうに見え、空いていた手で慰めた。

「あっ、ゃ、いっしょに、さわっちゃ、だめっ! あぁ、あおきさ、それすぐイきそう……」

「……一度イっておきましょうか」

「ひぁ、ゃ、あぁ、それ、あたま、ちかちかして、あっ! イくっ、イっちゃうっ、あああぁぁ〜〜!」

手元を緩めることなく一定の速度で刺激していると、ナマエさんはあっけなくイった。彼女がはあはあと肩で呼吸するたびに、襞がひくひくと誘うように動く。入口からは止めどなく溢れでる甘い蜜。

まだ整わない息で、ナマエさんがゆっくりと起き上がると、まだ着崩れていない自分の浴衣を剥ぎ、耳元で囁いた。

「ねえ、アオキさんのおちんちんで、いっぱい気持ちよくして……」

「……あの、いつも思うんですが、そういうのどこで仕入れてくるんですか……」

「アオキさんに飽きられないようにえっちな勉強をしてます」

どんな勉強だ。とは言わなかった。稀に彼女は男性向けの何やらを見ているようで、それが自分を悦ばせるためだとは分かっているがそれについていけるか自分の体力が不安である。

「貴方に飽きることはないと思いますよ。むしろ貴方への気持ちは日々大きくなっているようで、困ったもんです。……ほら、後ろ向いてください」

言われたとおりに彼女は尻をこちらへ突き出して、四つん這いの状態でいまかいまかと期待に膨らんでいる。ぬるついた入口に自身をあてがい、浅いところで抜きさしする。

一気に奥まで到達すると、それだけでナマエさんが甘ったるく鳴く。逃がさないように締めつけられると、こちらもすぐに果ててしまいそうだ。

「ぁあ、っ、いっかい、イってるから、ぁ、どうしよ、ナカきもちいぃ……」

後ろから眺める彼女の曲線も、突くたびに揺れる欲望をそそる豊かな尻も、自分の目を捉えて離さない。こんなにやわらかで優しい彼女の身に、はち切れんばかりの自身の凶暴さを挿れこんで平気かと毎度思う。

「もっと、もっと突いて、アオキさ、ぁっ」

そう言われたので言葉どおりに、むしろそれ以上に攻め立ててやる。平気なようでよかった。
適度にアルコールが入っているからなのか、彼女のナカがいつもより熱っぽいし、いつもより敏感な気がする。そう思うと、より夢中になってナカを掻き乱してしまう。

「ふ、ぁ! アオキさんっ、ん、ぁ、や、ぁあ、お、おっきい……!」

……この人はまたそういうことを。
執拗に最奥へと突き立てれば、ナマエさんから溢れる嬌声と甘い蜜が五感に伝わる。自身に絡みついて離れない襞はもう限界が近いらしく、入口から奥まで陰茎を締めつけてくる。

なんとか動きを緩めて、入れ込んだまま彼女を仰向けにさせる。すでに涙がこぼれそうな彼女の目元と、どちらのものか分からない液体に塗れた接合部にくらくらし、酷くしてやりたい気持ちが湧き出てくる。……すみません、ナマエさん。今日も優しくできそうにありません。

「あっ! ああぁ、や、ぁ、だめ、はげしっきもちい、あ〜、いく、いっちゃう、っ」

「いいですよ。自分も、そろそろ……!」

自分が腰を打ちつけるたびに彼女の白い胸がせっかちに揺れる。奥で私欲を吐き出していると、自身にあった凶暴な衝動は波のように引いていった。




結局、そのあと再び風呂に入ることになり、仕事で疲れた体を癒すどころか、より疲労したのではないかという気になり、果たしてこれが休暇なのかそうでないのか分からなくなった。




休暇後、同僚たちへお土産にフエンせんべいを渡すと、「アオキさん、えらい肌ツヤッツヤになったなあ。やっぱり温泉の効能ごっつええんや〜ええな〜」「え〜ポピーもいっしょに行きたいですの〜」と大変羨ましがられたが、「心なしか頬が緩んでますですよ」と釘を刺されたのも事実であった。