つり目の生活
me

▽2021/01/31(Sun)

青い輪郭をなぞる、なんて行為をもう長らく忘れている。

最近、妙に高校時代の自分の見てきた景色を思い出す。その当時、付き合っていた恋人と色々旅をしたものだけど、ただ学校帰りの二人乗りの景色ですら、あの頃はとてつもなく美しいものに見えていた。

というのも、別に元彼に会いたいとか、そういうことではなく。

ただ単純に、いい景色を眺めていたのだなと言うことを知る、

例えば、長く続く川の土手道だったり、いつもの帰り道とは違う道を走った時の謎の家具屋のサンプルだったり、広い一本の道路の真ん中をわざと歩いてみたりしたあの光景だったり、
他にも本当に、色々な景色があるのだけど、それらは全て自分からの景色であって、結果的に人は関係していなのだった

ただの事実の陳列では面白くないのだよ、人の文章なんて。

今日、私が昼下がりに感じた
あの空気は、決して事実だけではなくて

灯りが苦手な恋人の作った、淡い光が差し込む暗い部屋と
畳の匂い、生活感

散乱している服たち

それでも、髪は湿ってて欲しいと、
洗いたてのまだ乾かぬ濡髪であって欲しくて。

想像ではない、生活と、これ以上にない幸せは現実にあるはずなのに、あの空想の美しさが無いから満たされない。
殆どの人がマスクをしていなかった、閉まった店と延々と走る電車やバス、深夜にもポツリポツリと灯っていた明かり達

そんなただの風景さえ、今はもう無い。

この状態が、この世の中がいつまで続くのだろうと、虚無を感じる。

ただ、かつての家出少女が見た景色くらい、もう一度見せてくれよと思わざるを得ないだけ








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