第1Q
「うわぁ何?……うおっ!?誰?」
「いつからいたの!?」
「最初からいました」
「ウソォ!?」
カントクの絶叫に驚いた部員達は、今度は突然現れた男子生徒の存在に仰天した。いつからいたかと問われ最初からいたと返す彼。そんな彼の目の前にいて気付かなかったカントクは男子生徒の言葉にまた驚愕する。
「(今『黒子』って言った!?ええ!?)」
『(……マジだったわ…)』
てゆーか…カゲ薄っすっっ!!
心の中でそう叫ぶカントク。それは多分、いや間違いなく全員が思った事だろう。
冬玖は自分の隣にいた黒子を半ば信じられないように見ていたが、それでも疑う余地は彼にはなかった。
「……え?じゃあつまりコイツが!?『キセキの世代』の!?」
「まさかレギュラーじゃ……」
「それはねーだろ。ねえ黒子君」
周りがざわざわと騒ぎ始める。
帝光中出身の黒子。カゲ薄い。見た目は少なくともスポーツをやっているようには思えない。カゲ薄い。身長もそれ程高くはない。体つきも良いとは言えない。カゲ薄い。カゲ薄い。
同じ言葉を数回言ってしまったが、要するに彼は帝光中出身とは言え補欠、又は二軍以下だったのだろう?という事だ。疑いの目を向けて来る部員達。眼鏡の先輩もレギュラーだったワケないだろうと問い掛けて来る、が。
『いえ、いましたよ』
「……?試合には出てましたけど……」
「だよなー…うん?」
いえ、いましたよ。
試合には出てましたけど。
……つまり?
試合には出てた。=……レギュラー?
「え?……え!?」
え゙え゙ええ〜〜!?と部員全員の絶叫が響き渡る。
信じらんない。嘘こけ。マジか。冗談だろ。
言いたい事はわかった。だがまずは謝れキサマら。
『久し振りだな。覚えてるか?』
冬玖は懐かしげに黒子に話し掛けた。黒子はそんな彼に少し驚いた顔をする。
「はい、全中振りですね」
「え、天川君は黒子君の事知ってるの?」
黒子も冬玖の事は覚えていたようで挨拶を返す。前にも会ったような会話をする二人にカントクは不思議そうな顔をした。
『はい。全中の時に試合を』
「一回だけでしたが。ボクの事を知ってるなんて驚きました」
一回試合した程度でボクを認識出来る人見た事なくて……と言う黒子に周りは微妙な視線を送る。何それ虚しい。
『
覚えてるじゃなくて
知ってるかよ……。というか寧ろそっちこそ覚えててくれてるとはな』
「シューティングガードでしたよね。ポイントガードとの連携、凄かったです」
冬玖は中学の時、一度だけ帝光中と公式で対戦した事があった。その時はポイントガードをやっていた親友とタッグを組み、シューティングガードとしてチームに貢献していた。(見た目がどうであれ)帝光中出身の黒子に純粋に褒められた事を冬玖は嬉しく思い、『サンキュ』と返す。カントクや周りの部員はそんな彼らの当時の試合内容が気になったが、黒子のデータだけまだ採っていない事を思い出したので詳しくは訊けずじまいになった。
「オイ、ちょっと聞きたいんだけど……」
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