02
「え?もしかして、ツナくん……?」予定のない休みの朝なんて、寝巻きから着替えるわけもなく。寝巻き代わりのだぼっとしたTシャツに短パン、ださメガネかけて宅配かな〜なんて開けたら、まさかの幼馴染みがそこに立ってた。
「うん、そうだよ」
「えええっ!大きくなったねえ!」
「まあね、もう18だもん」
「えっ、てことは大学生?」
「ん、短大だけどね」
「そうなんだあ!」
中学生の彼を見かけた時はまだ私より背が低かったし小柄だったのに、まあ今も細身ではあるけど背はしっかり抜かされている。
まあ大人びているけれど、にこにこしてる彼の可愛さは健在のようだ。
「あれ?」
何年ぶりになるんだろうという懐かしい再会と、疎遠になっていた彼がこうして会いに来てくれたことに喜んで流してしまっていたけど、あれ?さっきこの子なんていった?
「今年、こっちの短大行くんだけど、色々とバタバタで家を決めきれなかったんだ。っていう話をうちの母さんが涼ちゃんのお母さんにしたみたいで、それで娘の家に少し間借りしちゃえば!≠チて……言われたらしいんだけど……あれ?」
「……」
お母さん!!
何を勝手に決めてるんだ!しかも私に連絡来てないし!
最近趣味のためもあってパート始めたって言ってたから、楽しいこととか忙しかったりで忘れてたんだろうけど!結構大事なことだよ!
ていうか年頃の娘の家に男の子泊まらせるって!幼馴染みとはいえ!いいのか!
頭を抱えていると、ツナくんが「やっぱ、だめ、だよね……」と呟いた。
ぱっと顔を上げると、困ったように笑いながらごめんね、と謝る。
「大丈夫、無理言ってるのはわかってるし!何とかする、男だしね」
「何とかって……寝泊まりは……?」
「何とかなるよ」
「野宿するの!?」
「いや、わかんないけど……大丈夫だよ」
誤魔化すように笑って大丈夫大丈夫と繰り返すツナくん。えええ。絶対野宿するじゃん。
スーツケース1個と背負ったリュック1つというあまりにも少ない荷物。困ったように、弱ったように笑う顔に、負けた。負けたというか、放ってられない姉魂みたいなのが出た。
「いいよ!ツナくんだし!泊まりな!」
「い、いいの……?」
「大丈夫!お姉さんに任せて!」
「多少は貯金あるんだけど、早めにバイト決めて、出ていくようにするから……!」
「気にしないで!学生は勉学がいちばんだから!」
上がって上がって!と促すと遠慮気味に足を踏み入れたツナくん。
疎遠になってたの寂しかったけど、こうやって頼ってくれるくらいには思ってたより疎遠になってなかったのかな?
ありがとうって微笑む彼が可愛くて、募る話もいっぱいあるなあと思いながら招きいれた。
背後で、ツナくんが不敵に笑ってるのなんて知りもせずに。