目を覚ますとそこには赤い少女がいた。

「……。(!!?!?!!?)」

びっくりした!声も出ないほどびっっっくりした!
はくはくと動く口を抑えながら状況を確認する。
今は……たぶん明け方。空が白んでいる。
目の前には未だ私を覗き込んでいる少女。鮮やかな赤い髪に睫毛がふんだんに飾られた少しギョロっと大きな目。しかしその目の大きさに損なわれることのない可愛らしい顔。
そして思い返すと眠りについたときよりも幾分低い目線。木に寄りかかっていたはずだが、地面に落ちてしまったのだろうか。それにしては柔らかな感覚が頬から後頭部に。チラリと横目に上を見れば、これまた麗しい顔立ちの知らない男性が。この体勢…俗に言う膝枕では……?
さてと、一通り状況を理解した上で、いざ。

「き ゃ ー ー ー ー ー ー ! ! ! ! ? ? ! ? ! !」

傍で鳥ポケモンが飛び立つ音が聞こえた。


私のありったけの悲鳴で目を覚ました男性、私を覗き込んでいた少女、そして私は正座をして円を書くように向かい合った。

「えっと、あなたは?」
「……晴琉だ。キミのポケモンの。」
「……そして、あなたは?」
「コイキング。」

……なるほど、わからん。

私の相棒と同じ名前の男性(すごくかっこいい)とコイキングという明らかに人につける名前ではない名称で自身を呼ぶ少女(すごくかわいい)。男性は同名で何となく考えをまとめることは出来る(まとまるとは言っていない)が、いや、初対面で膝枕はおかしい。しないでしょ普通。この時間に少女(外見的には1桁の年齢)が覗き込んでいたのもおかしい。そして二人とも何故か私のことを知っているような、警戒のない顔をしている。こんらんしているのは私だけのようだ。キーのみ、キーのみはどこですか……?
一人頭の中でぐるぐると考えて目まで回りだしそうになったところで、男性から声がかかった。

「……チサト、大丈夫か?」
「あっはい、大丈夫……です。」

大丈夫ではないが。

「敬語にならないでくれ。……もう一度言うぞ。俺は晴琉、チサトのガバイトだ。」
「わたし コイキング さっき いった。」
「落ち着いて聞いてくれ。……ポケモンは人の姿になることができるんだ。俺達が住んでいたフスベではあまり見かけなかったが……。」

えっと、もっとわかりやすくおねがいします。

「簡単に言うと、擬人化、だ。」


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