センターの自動ドアを出ると、既に日差しが暖かい。いい天気だ。
昨日は周りも気にせず走り抜けた道を途中まで戻る。そこから先もほとんど一本道だと、ポケモンセンターで無料配布されていた近隣の案内マップに書いてあった。

「ねぇヒトカゲくん。ウツギ博士ってどんな人?」
『細いメガネだ。』
「そんな言い方しなくても……。」
『……いい奴、だとは思う。』
「……そっか!ヒトカゲくんが言うなら優しい人なんだろうね。」
『ふん……。』

他愛ない話をしながら歩く。好きな味の話をしてみると、ヒトカゲは辛いものが好きみたいだ。ボールを通しても、声は聞こえるらしく、すっぱいもののときは澄ちゃんのボールが、あまいもののときは晴琉くんのボールが震えた。
みんな好きな味が違うみたい。あとでポフィンやポロックも作ってあげられたらいいな。

そんな事を話していると、あっという間にワカバタウンまで辿り着いた。ここまで誰ともすれ違わなかったのが頷けるくらい、小さくて可愛らしい、風車の回る町だ。お店も必要最低限しかない様子。
その中で一際大きな建物、そこがウツギ博士の研究所のようだった。

「……ヒトカゲくん、準備はいい?」
『……おう。オレを旅に連れて行ってくれるんだろ?』
「頑張るよ。ううん、いっしょに頑張ろう。」
『……ん!』

深呼吸をしてインターホンを押す。

『はい、ウツギ研究所です。』
「あ、突然失礼いたします。私、フスベシティのチサトと申します。ひ、ヒトカゲのことでお話が……!」

バタバタバタバタッ!ガチャっ!!

「ヒトカゲ!?ヒトカゲだって!!?」
「へ!あ、はい!この子……」
「わーーーーー!ヒトカゲ〜〜!よかった〜〜!無事だったんだねぇ〜〜〜!!!」

私の腕の中にいたヒトカゲくんを引ったくり頬ずりをする男性を眺める。ヒトカゲくんは勢いに押されてされるがままだ。
細身でメガネ、白衣を着ている、この人がウツギ博士なのかな……?


「キミっ!ヒトカゲを連れてきてくれてありがとう!ぜひ話を聞きたいんだ、中にどうぞ!あ、自己紹介をしてなかったね、ボクはウツギ。皆にはウツギ博士って呼ばれているよ。さぁ、中にどうぞ!」
「え、えっとその、お邪魔します……?」

ヒトカゲくんの言っていたことは合っていたみたい。とってもいい人そうだ。
勢いに流されるまま、私達は研究所に足を踏み入れた。




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