忠誠の誓い
「ミヤビ、傷はどうなんだ?」
キャプテンにバラされて生首を持ち正座をさせられてるシャチに問われるもののシチュエーションのインパクトが強すぎる。
仲間のこの姿は未だにちょっと見慣れない。
「あ、えっと…」
「心配する程深くはねェ」
私よりもきちんと私の傷を見たであろうキャプテンが言葉を継ぐ。
「だが…痕になりそうだ」
「…」
みんなが悲しそうな顔をする。イッカク姉は一際そうだった。
「大丈夫!闘いの勲章というか、油断した罰というかって感じだし!」
「タフすぎるだろ」
ペンギンに言われるけど、そこはスルーした。
「ミヤビ、アンタは女の子なんだよ…」
「イッカク姉、大丈夫だよ」
笑って見せるとイッカク姉も無理やり笑顔をつくって応えてくれるけど、胸が痛んだ。
「なんで1人で危ない所に行ったんだ?」
「あ、えーっとね、それは、」
みんなの目が集まるところで言うのは恥ずかしいけど、私はくるりと背を向けて降ろされた髪を左肩に寄せる。
「これを、入れたくて」
「…ハートの…シンボル…」
「キャプテンが拾ってくれて、みんなが居てくれたから生きてこれたから、私もそれを背負いたくて」
「でも、師匠がいるって」
「師匠は師匠だよ。私たちの師弟関係って元々そういうもんだったし、そもそも向こうは私の事弟子と思ってるかも分からないの」
「結構自由だな…」
「良いでしょ?」
「そうだな」
シャチがわしわし頭を撫でる。
「シャチ?」
「とにかく無事で良かった」
「おかえり、ミヤビ」
「ありがとう、ペンギンも、みんなも、」
「…」
「キャプテンも」
「何も言ってねェだろ」
「ただいま」
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11話登場のカミカゼのカクテル言葉:あなたを救う
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