まだまだ



「基本的には洗濯、調理は交代制だ」

ペンギンさんに着いて行き船内を案内してもらっている。後ろには暇だからとシャチさんとベポも。

「ミヤビちゃん、ミヤビって呼んでいい?」
「いいですよ」
「おれのこともシャチって呼んで!」
「わかった、シャチ、よろしく」
「おう!よろしくな」
「おれもベポって呼んでいいぞ!」
「よろしくね、ベポ」
「…シャチ、そういうのは後にしてくれないか」
「なんでおれだけ!?」

ペンギンさんの声は呆れていた。

「だってせっかく年下の子来たんだから仲良くなりたいじゃん」
「分かるけどな…暇なら奥の使ってない部屋、掃除してきてくれ」
「しょうがねぇなぁ」
「おれも手伝うよ!」

目をキラキラさせたベポと渋々といった様子のシャチさんは反対方向へと足を向けた。

「悪いな。あんなだけど頼りになる奴なんだ」
「そんな感じします。なんかシャチとペンギンさんは雰囲気似てるような感じですし」
「そうか?あぁ、あとおれもペンギンでいい」
「そう…かな?ペンギン?」
「…あァ」

ふ、とゆるく笑う。なんか、オトナ。

「ペンギンは何歳なの?」
「26だ」
「お兄さん…」
「年齢のことは気にしないでいい」
「ん、わかった」

食堂、お風呂、と来て、

「ここが船長室だ。大体キャプテンはここにいる」
「ふぅん…」
「ここだけはノックしてから入ってくれ」
「わかった」

多分入ることないと思うけど。心の中でつぶやく。

「そんでちょっと遠くて申し訳ないが…ここがミヤビの部屋だ」
「…一人部屋?」
「あァ。嫌か?」
「そうじゃなくて…私1人で使っていいの?」
「女の子はお洋服とか何かと物が多いだろ?遠慮すんなって!」

シャチが笑顔でそう言ってくる。2人は私用の部屋の掃除をしてくれていたらしい。

「掃除してくれてありがとう。でも私そんなに物持ってないし…」
「これから色々買って揃えて行けば良い。それにイッカクも一人部屋だしな」
「申し訳なくて…」

成り行きで船に乗せてもらってるのに。

「ミヤビはキャプテンにはつっかかるのにこういう所は遠慮するんだな」
「キャプテンは最初から失礼で横柄だったから。他のみんなはそんなことなくて、なんか、」

こういうの久々で、という声は尻すぼみになった。
1人で旅をしてきたのが寂しくなかったわけではない。でもかと言って頼れる人もいなかった。

「…そうか。少しずつ慣れていけ」
「何かあったらいつでも言えよ」

お兄ちゃんが2人出来たような感じ。2人と、おれも頼れよー!と叫んでいるベポにほわりと胸が暖かくなった。

「そろそろ浮上するぞ」
「どこに?」
「シャボンディ諸島という所だ」

大きな木とシャボン玉。ハートの海賊団に入ってから初めての島だった。




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