「……ごめんねオドロキくん、ボルジニア空港でつかまっちゃってて、まだ帰れそうにないやぁ」
国際電話から聞こえる、イヨさんの疲れた声。
「お疲れ様です、イヨさん」
「なんかテロ対策とかで色々検査項目増えたらしくてね、もう大変なの!」
「下手したら、マドルカからの仕入れ品……半分くらいしか持って帰れないかも……」
「……大変そうですね」
「ということで……ごめん、オドロキくん!もう少しトルソー預かってもらえる?」
「もちろん、構いませんよ。今も俺の膝で大人しく寝てますし」
そう言いながら俺の膝で寝ているトルソーを撫でると、「ぶみゃあ」と
小さい鳴き声が聞こえた。
「んー!ありがとー!……あっ、呼ばれたからそろそろ切るね。」
「オドロキくんも、あんまり根詰めちゃだめだよー?」
「はいはい、イヨさんこそ気を付けて。」
「あ、そうだ!オドロキくん!」
「?」
「愛してるよ!」
「……!」
「じゃーね!」
ぷつん、と切られた電話。
「……まったく、イヨさんは……!!」
受話器を握ったまま真っ赤な顔でそう言う俺を、トルソーは不思議そうな顔をして見つめていた。
受話器越しのあいにーじゅー
(その2日後にイヨさんが帰ってきたから)
(仕返しにたっぷりキスをしてやった。)
リハビリ……です。
オドイヨはいいぞ。
20180809