貴方色の布が欲しいな

「わあーっ!!わああーいっ!!」


さっきから目をキラキラさせて奇声(?)を上げているイヨ。

その目の前には、
ボルジニアや西凰民国など、いろんな国の布や糸が入ったカラフルな詰め合わせがダンボール箱いっぱい。



「……そんなに嬉しいんですか?」

「う、うう、嬉しいに決まってるよ!私が前からずーっと欲しかったものだよ!?」





「しかも……それをオドロキくんから貰ったんだから!」






……実は、この詰め合わせは王泥喜からイヨへの誕生日プレゼント。

王泥喜はつい最近、イヨが「海外の布って綺麗なんだけど、日本じゃ大手の店に取られて、うちみたいなとこはほとんど手に入らないんだよね」と呟いていたのを聞き逃していなかった。

……それから王泥喜は、自分が使えるツテを全部使い、なんとか誕生日に間に合わせたわけだ。
(ちなみに……主に西鳳民国出身の魂がその犠牲になった。)




「むっふふー、これだけあればいろんなものが作れちゃうよ!新しいピンクッションでしょ、タマモさんの服でしょ……」



嬉しそうに笑いながらメジャーで布の採寸を取り始めたイヨに、王泥喜の頬が緩む。
……しかし数秒後、イヨはちょっと残念そうな顔をした。



「んー……いろんな色があって綺麗だけど、一番欲しい色が入ってないなあ」

「え、ええっ!?(あれっ、イヨさんのノートに書かれていた布や色は全部揃えたはずなのに!)」



イヨは、目を丸くしている王泥喜に向かってこう言った。



「あのね、私が一番欲しい色はね……オドロキくん色なんだよ!」

「えっ?……俺の色、ですか?」

「そ、オドロキくん色!」

「……どんな色なんですか、それ?」

「分かんないけど、オドロキくん色の布が一番欲しい!」

「はあ、無茶言わないで下さいよ、イヨさん……」

「え、やっぱ無茶かな?」



そう言うと、イヨはえへへと照れくさそうに笑った。







できれば貴方が欲しいな

(……じゃあ、オドロキくん本体が欲しい!)
(い゛ッ!?)
(あはは、冗談だよ!!)














オドイヨ大好きです。
イヨちゃんはとんでもないことをサラッと言うタイプ。






20150520(イヨ誕記念SS)
加筆修正/20150601

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