「……もう私、今日からホースケと一緒に寝ない!!」
王泥喜に背を向けてぷんぷんと怒るイヨに、王泥喜は慌てていた。
「え、ええ!?……なんでだよ!?」
「ホースケ、夜中に寝言で……しかも大声で何度も「異議あり」するんだもん、寝れるわけないよ!」
「一緒のベッドで寝てるんだから、もうすこし何とかしてくれないかなあ」
「お、俺……そんな寝言言ってるの?」
「うん、しかも何度も。見てよこのクマ!」
そう言うと、イヨは自分の目の下を指さす。
そこにはクマがくっきりと出来上がっていた。
「ホントに、どんな夢見てるの?」
イヨがそう言うと、王泥喜は少し恥ずかしそうに小さくこう呟いた。
「……イヨが被告人で、俺が弁護する夢……」
「え?」
「その、俺がまだ新人の時の、イヨの事件の時の夢で……」
「あぁ……私の“あの”裁判?」
「ん、それで……何度もイヨが有罪になりそうになるんだ。何とかいつも無罪になるところで目が覚めるんだけど」
「馬鹿だねえ、ホースケ」
そう言うと、イヨは王泥喜を思いっきりぎゅっと抱きしめた。
「わあっ!?」
「私は、ホースケのおかげでここに居るんだよ。」
「もう何があったってホースケの側に居るって決めたんだから!」
「……だからもう、離れないよ」
首元に顔を埋めるイヨに、王泥喜は眉を少しだけ下げてイヨの頭を撫でた。
「俺もイヨを離さない」
……その言葉で吹っ切れた王泥喜が法廷の夢を見なくなったのは、また別の話。
夢のあなたまで愛おしい
(まさか夢でもホースケが私を助けてくれるとは思わなかったなあ……)
逆裁にハマりすぎて法廷の夢を見たので。
20160402