君が流したユメナミダ。


どうか私を溶かしておくれ


·····水霊であるヴァネッサの体には、謎が多い。
人肌ほどに暖かく、触り心地はまるで水のようなのに、服も肌も全く濡れない不思議な体。
彼女に触れられている時だけは、頭痛も記憶障害も起きる気配は全くない。
彼女の体は全て賢者の石で作られた霊液だというが、それなら濡れない理由はなんだろうか·····

そんなことを考えながら、私は自室でヴァネッサと抱き合い、一緒にひと時のうたた寝に興じていた。

ちゃぷん、とぷん、と揺れる水音の中、ヴァネッサが私の目の下のクマを見て呆れたように口を開く。


「·····ルカったらまた夜更かししたのね、悪い人だわぁ」

「それでも君がこうして抱きしめて添い寝してくれるなら、悪い気はしないね」

「んもぅ、仕方ないわねぇ」


そのままぎゅっ、と彼女を抱きしめると、彼女は私を抱き返して、自分の体を掛け布団のようにして私に覆い被さった。


とぷん、と私の両手の指先まで彼女に覆われ、ゆるく温かい体温が私を包み込む。


「·····私と溶け合いましょうねぇ、そうすればいい夢くらいは見せてあげるわぁ」


いっそ、本当に溶け合えてしまえばいいのに。
そう考えながら、私は目を閉じた。



2020.02.18

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