真夏の夜では夢も見れない
·····ひどく、ひどく寂しかったんだ。
虫しか話し相手が居ないような森で、ただひとり朽ちていくのは。
狂ったわたしには、孤独はひどく寂しく、苦しく、痛いものであったから。
心の奥底から、そばに居てくれる人を望んでいたんだ。
「·····あぁ、あなたの羽は綺麗な青色。きっとそれは、ヘレナモルフォの羽ですね」
「きみはわたしの羽を、美しいと言ってくれるのかい·····」
「あなたの羽は、美しい蝶の羽。夜空のように、雲ひとつない空のように澄んだ美しい羽。それをどうして、褒めずにはいられましょうか?」
狂った私にもよくわかる、君はとても優しい人だ。
だけれどそれを伝えることは、狂った「わたし」には出来やしない。
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