救う者と救われた者たち
(コヨーテサイド)
・・・パチッ・・・
目が開いた。俺の目には白くて綺麗な天井が映っている。ここは天国か?
「・・・う」
重くて痛い身体を起こしたその時、
横から凛とした声が聞こえた。
「・・・あ、目が覚めたみたいだな。」
少し可愛らしい、俺達と同じ年齢相当の男の子がそこに居た。
美しく靡く銀髪。抜けるように蒼い瞳。
白く、美しい肌。
あまりにも綺麗だったから、俺はとっさに天使だと思った。
「・・・天使・・・?」
思わず呟くと、
男の子は「えっ?」と声を漏らして驚いた。
「はは・・・俺は、天使なんかじゃないよ。」
「そう、なんですか?では・・・貴方は・・・?」
「俺はただの人間だよ。名前はクラート・マイン。」
「・・・コヨーテと申します」
「そっか。君はコヨーテって言うのか。カッコいい名前だなっ。」
そういって、ふわりと微笑むマイン。
クラート・マイン、その名前を知っている。確か、クラート財閥の次男坊。
もしかしたら、俺達はまた実験材料にされるため拉致られたのかもしれない。そう頭によぎった。
「他の、皆は何処に・・・いるのですか?」
「他の部屋。下にあるんだ。行く?」
「はい。お願いします」
マインさんに連れられて下に降りる。
肉体労働を強いられていると、勝手に決めつけていたが、扉を開けた先にはリラックスした空間が広がっていて皆自由気ままに過ごしていた。
俺はと言えば驚いて突っ立っている。そのうちに俺に気づいたフォクスが俺を呼ぶ。
「・・・コヨーテ、どうしたのですか?」
それにヘンクも続く。
「やっと起きたのですね?こちらへいらっしゃい、話があります。」
マインさんをちらっと見ると、
「行って話をしておいで。」と
にこやかに言ってくれたので、皆のもとへ向かう。
「コヨーテ、マイン様は私達をこの家に置いてくださるとおっしゃってます。私達は賛成ですが、貴方はどうですか?」
「・・・俺も賛成です。野宿はもう懲り懲りですから」
俺達の会話をじっ、と後ろで聴いている
マインさん。あ、いやこれからは主人になるのだからマイン様だ。
「・・・話は終わったかい?」
「はい、終わりました。マイン様、私達は何をしたらよろしいでしょうか?」
首を傾げるマイン様。男の子なのに本当に可愛らしい。
「あー、考えてなかったな。・・・皆は何が出来るのかな?」
「私達は基本何でも致します。裏の仕事をでも、夜の相手でも何なりと」
「えー、夜の相手って・・・もしかして今までいろいろされてたのか?」
「はい。その役目はフォクスが」
「よく耐えてきたなぁ・・・。これからはもうしなくていいから安心しなよ。(ニッ」
マイン様がそう言うといつも無表情のフォクスが、嬉しそうに微笑んだ。
「んー・・・。とりあえず家事をしてくれたら嬉しいかな。俺、料理とか苦手なんだよ。」
その言葉に皆驚愕する。
今までの主人はあれをしろ、これをしろと俺達を機械のように扱ったからだ。外道のことを俺達にさせるのも当たり前だった。
「・・・ほ、本当に、それだけでいいんですか?」
「あぁ。家事さえしてくれたらさ、あとは何してもいいし好きな所に行ってもいい。」
「俺に言ってくれたら出来る限りは叶えてあげるよ。俺は今家出中で宙ぶらりんな状態だけど。躊躇なく言うこと!以上!」
俺達はいつの間にか涙を流していた。
悲しくて、ではない。嬉しさのあまりに。
「煤E・・え、えっ!?」
マイン様が「何を泣いてるんだ!?」と慌てていた。
それを見て、俺達はやっと人の優しさに触れることが出来たんだとマイン様に抱き着いたのは言うまでもない。
「(・・・俺もね、やっと一人から抜け出せそうだよ。)」
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