衝撃の事実を
カカシ先生達に連れられて、私は火影室の前へ。
・・・あーだめだ、すっごい緊張してきた。
テレポートで逃げたい気分だって。
「自分のバカ・・・そーも言ってられないんだって」
そう小さな声で呟いて、
自分の頭を軽く小突いた。
「失礼します」
「カカシか。入れ」
「はい」
うー、緊張するけど平静を装うんだ私ッ!
「・・・その子が、立ち入り禁止の森に居た子か」
「はい」
「・・・立ち入り禁止の、森?」
「もしや・・・知らずに入ったのか?」
「はい・・・そもそも私、入りたくて入ったわけじゃないんだっ・・・」
・・・あ、しまった。
「貴様ッ、まさか他の里のスパイか!?」
そう言って、火影様の隣にいた男性が声を荒げる。
・・・うわーん、私を睨む目が怖いんだってー!
「これ・・・落ち着かぬか、サカイ。この子はスパイではないじゃろう」
「そうであるという保証はどこにもありません!もし火影様や里に何かあったら・・・!」
「・・・この子の目は優しい。そんなことをするようには見えぬよ」
「・・・火影様が、そういうのであれば」
目が優しい、って初めて言われたんだって・・・
あっちでは、いつもみんなに「化け物」って言われてたから・・・
「それじゃあ、お前さんの名を教えてもらえるか・・・?」
「・・・えっと、私は空乃陽妃です。みんなからはヨウと呼ばれてます・・・」
「そうか、いい名前じゃ」
「火影様、さっきは庇ってもらってどうもありがとうござ―」
(ここから出せッッ!!)
お礼を言おうとした次の瞬間、
どこからか玉藻の大きな声が聞こえたかと思えば、私のお腹に強烈な痛みが走った。
息すらもできないような痛みに耐えかねて、ヨウは反射的に蹲ってしまった。
「・・・い・・・いた・・・痛い・・・!!」
「だ、大丈夫か!?」
「うの、何とかできないか!?」
「・・・やってみるわ!」
その時、サカイの隣にいた「うの」と呼ばれた女性が、ヨウに近づいた。
「・・・ごめんね、服をちょっとめくるわよ!」
そう言ってうのはヨウの服を軽く捲る。
「「「!?」」」
その瞬間、みんな私のお腹の変な模様を見て固まった。
「・・・五門封印!?」
「しかも、封印が解けかかってる・・・!」
「五門封印があるってことは、こいつは人柱力か!?」
「・・・と、とにかく解けかかってる封印をかけ直すわ!」
「できるか、うの!」
「・・・えぇ、もちろんよ!」
そう言うと、うのは素早く印を結んで
手をヨウのお腹に当てた。
「う・・・」
お腹に手を当てられてすぐ、
痛みがじわじわと引いていくのがわかった。
「貴方、玉藻の人柱力だったのね・・・」
「じんちゅうりき、って・・・?」
人柱力って、ナルトと同じ・・・?
それに、玉藻ってさっきのお姉さん・・・?
「儂が説明してやろう」
そんなことを考えていたら、
火影様が分かりやすく説明してくれた。
私の中に居るのは、妖狐「玉藻」。
・・・なんでも九尾の狐の妻で、
玉藻単体じゃ力はほとんどないに等しいけど、
九尾と一緒になるとすごい力を持つ尾獣らしい。
・・・まさか、このお腹の模様にそんな意味があったなんて・・・
何だか辛くなって、うつむいてしまう。
・・・なんでこうなっちゃったの。
ナルトに会いたい、って気持ちはあったからトリップ出来たのは嬉しいけど、
・・・正直、ここまでのことは望んでいなかった。
「・・・」
「くよくよすんなよ、ヨウっ!」
「え?」
「俺も、体の中にいるからさ!」
・・・あ、そうか。
ナルトも、同じなんだ・・・
ナルトもミズキに急に聞かされて、
そうとう迷ったし、戸惑ったに違いないよね・・・
それに、恐れられるのはもう慣れっこだし・・・頑張っていくしかないか!
「(そういえば、玉藻は九尾の奥さんなんだよね、つまり・・・。・・・やだ、私ってば何考えてるんだって!!)」
「ま、共通点もあることだしさ、仲良くやろうってばよ!」
「・・・うん」
そう言って、私はナルトが差し出した手を取った。
それからというもの、
私が異世界から玉藻に連れてこられた、という事を説明したり、
私がESPを持っていることを説明した。
「いーえすぴー?」
「・・・えーと、超能力とも言うんですけどね」
「忍術とは違うの?」
「あ、はい。忍術はチャクラを使って発動するじゃないですか。ESPはチャクラを使わないんです」
「すごいわね、それ。・・・疑うわけじゃないけど、ちょっと見せてもらってもいいかしら?」
「あ、はい。いいですよ。」
うのさんがそう言うから、私はあたりに何かサイコキノで持ち上げられるものがないか探した。
「ん、あれだっ!」
机の上にあった巻物に目を付け、手の平をそこに向ける。
すると手が薄く赤色に光り、ふわふわと巻物が浮かび、私の元へやってくる。
「「「!!」」」
「・・・ざっとこんなもんですかね。」
力を止めると、巻物は重力に従って私の手に落ちてきた。
「他にも透視とかもできますよー」
みんなが驚くのが手に取るように分かる。
うーん・・・昔のことを少し思い出しそうになってしまったな。
で、結局。
私は様子見ってことで、
木の葉の里に居てもいいことになった。
住むところももらったんだけど、そこがなんと
・・・ナルトの家の隣だって!
これは神様からのご褒美か何かですか。
しかも、明日から忍術を7班に交じって教えてもらうことになった。
・・・なんでも、私の体には
常人には見受けられないほどのチャクラが大量に流れているらしい・・・。
「明日から特訓つけるから、よろしくねヨウ。」
「お、お願いします・・・!」
・・・いろいろあって、何だかまだ頭が混乱しているけど、
頑張れば、絶対なんとかなるんだって!
「・・・火影様、あいつは」
「間違いない。あの独特な髪の結び方、髪色に目の色・・・」
「あの日・・・玉藻を体に封印され、異世界に飛ばされた赤子・・・波風ビゼン様とうずまきクシロ様の子なのでしょうか?」
「ナルトと同じ時に生まれ落ちた、あの・・・?」
ヒルゼンはうのの問いには答えず、少しうつむいた。
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