初めての任務
落ち着け・・・落ち着け私・・・。
私が人だと気取られたら逃げられる・・・
さりげなく「猫」になりきるんだ、自分ッ!
「うにゃーん、にゃー」
「・・・」
よしよし、近づいてきた。
そのままそのまま・・・!!
「みゃ、うにゃ」
・・・よし、あと5センチ。
3,2,1・・・
「今だよ、みんなっ!」
バッ!!
「・・・つっかまえたァーーーッ!」
「ニャーーー!?」
「はぁ、疲れたーっ!」
「お疲れさま、ヨウ!!」
はー・・・
猫になりきっていたぶん、
気を遣いすぎて余計に疲れた気がするんだって・・・。
変身を解いて、無線でカカシ先生に連絡する。
「えーと・・・右耳にリボン、目標の「トラ」に間違いないです、先生」
『よーし、迷子ペット「トラ」捕獲任務終了!すぐ戻ってこい』
「はーいっ」
「いててて、いてぇってばァ!!」
「あはは・・・よーしよし、怖くないからねー」
思い切り顔面を引っかかれてるナルトからトラを引き離し、
ヨウは自分の片腕の中にトラを収めた。
「うわー、その顔・・・超痛そうなんだって」
「・・・このバカネコのせいだってばよ!」
「あはは・・・はいはい、治してあげるから怒らないんだって!」
くすくすと笑いながら、
空いた片手でナルトの顔のひっかき傷をヒーリングで治してあげていると、
横からサクラが声をかけてくれた。
「ヨウのおかげですぐ捕まったわ、ありがとう!」
「いやいや、これくらいどうって事ないよー」
「ヨウが猫に化けて誘惑してくれたからよ、本当にありがとう!」
「(ゆ、誘惑・・・)」
そんなことを思っていると、
傷が完全に治ったナルトが不機嫌そうにこう言った。
「じゃあ、そろそろ帰ろうってばよ」
「・・・そうね、早く依頼人にこの子渡さないとね」
「じゃあ早く行きましょ」
あれからしばらく経ち、
いろんな任務に一緒に同行させてもらった。
火影様のはからいで、一応私はもう7班の仲間らしい。
つまり・・・フォーマンセル、ってことだって。
額あてももらったし♪
ちなみに今、右腕に巻いてある。
頭につけると前髪くずれちゃうからね・・・
・・・みんな私のESPを気にしなくて、
むしろ「凄くカッコいい力」って褒めてくれた。
向こうでは、同じESPを持った子しかわかってくれなかったし、
私のレベルが高いせいで、同じESPを持った子からも避けられてた・・・
・・・普通の人間に生まれていたら、
小さいころからこんな風に笑えたのかな。
そう思いながら、腕の力をわずかに強めた。
「ニ゛ャーーーーッ!!」
「あぁ!私の可愛いトラちゃん!死ぬほど心配したのよォ〜!」
私がトラを渡すと、
思い切りぐりぐりとほおずりする、マダム・しじみ。
何て言うか・・・ご愁傷様。
「(うっわー、あれじゃ逃げるのも無理ないんだって)」
「(ざまーねェーってばよ、あのバカネコ!)」
「(逃げるのも無理ないわね、あれじゃ)」
「・・・さて!第7班の次の任務はと・・・老中のぼっちゃんの子守に、隣町までのお使い、イモ掘りの手伝いか」
「ダメーッ!そんなのノーサンキュー!!」
「(・・・あ、ダダこねはじめた)」
「俺はもっとスゲー任務がやりてーの!他のにして!!」
「バカヤロー!お前はまだペーペーの新米だろーが!誰でも最初は場数を踏んでくり上がってくんだ!」
「だってさ!この前からずっとショボイ任務ばっかじゃん!」
「いい加減にしとけ、コラ!」
「お前らはまだ下忍になったばかり、Dランクがいいところじゃ」
「・・・けど、俺ってばいつまでも、じいちゃんが思ってるようなイタズラ小僧じゃねぇんだぞ!」
そうナルトが言うと、火影様は諦めたように
こう言った。
「・・・分かった。」
「え?」
「!」
「お前がそこまで言うなら、Cランクの任務をやってもらう。ある人物の護衛任務だ」
「え!?誰、誰っ!?」
「慌てるな、今から紹介する。」
「・・・入ってきてもらえますかな」
火影様がそう言うと、
扉が開いて、一人の男性が出てきた。
「なんだァ?超ガキばっかじゃねーかよ!・・・とくに、そこの一番ちっこい超バカ面、お前本当に忍者か?」
「アハハ、誰だよ一番ちっこいバカ面って・・・」
ナルトはそう言って周りを見回すが、
サクラもサスケも背が高いし、
ナルトの背に一番近いヨウも、ナルトよりわずかに高いので、
必然的に一番小さいのはナルト、という事になる。
「・・・ぶっ殺すッ!!」
「コラ、これから護衛するじいさん殺してどーする」
そう二人が話していると、
タズナはヨウのほうを見た。
「それにしても、お前さんはあのバカ面とほとんど同じ背なのに、超美人さんじゃな」
「・・・ほっといてください、だって」
あーもう・・・谷崎主任といい、局長といい、
これだからオッサンって苦手だ。
・・・あ、でもこの人どっちかっつーとお爺ちゃんだよな・・・
・・・くそう、背が低いのはコンプレックスなのに。
依頼者じゃなかったら、いつもの皆本みたいに
サイコキノで地面にめりこませてやるんだってのに・・・!
・・・おっと。
いけないいけない、つい素が。
「ワシは橋作りの超達人、タズナというもんじゃわい。ワシが国に帰って橋を完成させるまで、命を懸けて超護衛してもらう!」
・・・正直、私一人居れば十分な気もしないでもないけど・・・
とにかく・・・黙っておこう。
そう言うことで、私たちはタズナさんと一緒に、
波の国を目指して歩き出した。
「(・・・もしもの時のために、「あれ」を用意しておこうっと)」
そう考え、ヨウはポケットの中から、
黒色、白色、ピンク色の3つの小さな巻物を取り出す。
「何だよ、それ?」
それを見たナルトがそう問いかけたが、
ヨウは唇に指を当て、からかうようにこう言った。
「・・・ん?あはは、なーいしょ。」
「何だってばよー!」
「教えない!」
「こら二人とも、はしゃぐなはしゃぐな」
「「はーい!」」
カカシにそう言われ、二人は大人しくなった。
そしてカカシは、さっきまでサクラとしていた話を続けた。
「・・・ま、安心しろ。Cランクの任務で忍者対決なんかしやしないよ」
「じゃあ外国の忍者と接触する心配はないんだぁ・・・」
「もちろんだよ」
その言葉を聞いたとき、タズナの肩がピクリ、と一瞬跳ねた。
「・・・?」
それを見たヨウが首をかしげたその瞬間、
後ろから二人の忍が現れた。
「!!」
その瞬間、ヨウは巻物3本を一気に広げて、
目にも留まらない速さで、ササッと印を組む。
しかし次の瞬間、あっという間にカカシは捕まり、
一瞬のうちに、忍びの腕に繋がった鎖のような武器でバラバラにされてしまった。
「1匹目、そして2匹目!」
「・・・さっせるかああああああァ!!!」
そして、ナルトも同じようにさせられそうになった数秒前。
『させませんよ!』
立ち上る煙と共に、
ゴスロリ服を着ている人形が現れ、鎖を弾き返した。
「・・・リコ、ミカ、アコミ!3人の防御を頼むんだって!」
そうヨウが言った瞬間、残り2体が4人の前に現れる。
『はい』
『わかりました、ますたー♡』
『・・・了解いたしました』
ミカと呼ばれた人形はロリータの服を着ていて、
アコミと呼ばれた人形は動きやすく改造された着物を着ていて、背中に羽のようなパーツが装備されていた。
「これは・・・傀儡!?」
「なに、コレ・・・」
「久しぶりにレベル7の力を出してやるんだって・・・!!」
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