君が流したユメナミダ。


Level7の悪魔


「・・・フン、小娘が」
「私を誰だと思ってるの?私は・・・「Level7の悪魔」と呼ばれた女だって!!」

次の瞬間、忍はヨウに襲い掛かる。
鎖がヨウに向かってきたその瞬間、
ヨウは薄緑の光と共にテレポートした。

そして間髪入れず、クナイを投げて鎖を絡ませた。
鎖が絡まって動けなくなった忍は、鎖を腕の武器から外し、二手に分かれた。

しかし、その瞬間を逃さず、
ヨウは攻撃を仕掛ける。

「ESP忍術、草縛りの術ッ!」

その瞬間、周りに生えていた草や蔦や木の葉っぱがザワザワと音を立てながら赤い光と共に、
物凄い勢いで忍びに向かって飛んでいく。
種明かしをすれば、ヨウのサイコキノで当たりの草を飛ばしているのだ。

「・・・そのまま大人しく縛られてろ!」

その術にはまった片方の忍びは、草まみれになり、
ギチギチ、と痛そうな音を立てて縛られる。
しかしもう一人の忍は、縛られる寸前に手に付けていた武器で草を切って抜け出し、そのままナルトの元へ向かう。

「・・・しまっ・・・!」
「うわああああっ!!」

ギリギリ体を切りつけられる寸前で飛び出してきたリコが身代りになり、
ナルトは右の手の甲を切り付けられただけで済んだ。

そして次の瞬間、忍がタズナ達に切りかかろうとしたとき、
片腕にさっきの草縛りに引っかかった忍びを抱え、
カカシが現れた。
さっき殺されたのは変わり身の木だったらしく、
さっきの場所には木片が散らばっているだけだった。

「ナルト達をすぐに助けてやれなくて悪かった・・・ナルトにケガさせちまったな」
「先生・・・!」
「とりあえずヨウ、よくやった」
「いえ、私の活躍なんかじゃないです。この子たちが居てくれたから」
「この子達・・・?」
「リコとミカは戻って!アコミは薬を!」
『はい』
『はーい♡』
『了解しました』

そう言ってヨウが黒色とピンク色の巻物を開くと、
リコとミカは巻物に吸い込まれるようにして戻った。

「それは・・・」
「意思があって自分で動く傀儡みたいなものです。」
「傀儡・・・」
「それより・・・先にこいつら縛りましょう!逃げられても困るし・・・」

そう言って、ヨウとカカシは襲ってきた二人組の忍を木に縛りつけた。

さっき切り付けられたナルトの手からは、
ドクドクと血があふれ出していた。

「サクラとサスケは大丈夫だって?ケガとかしてない?」
「・・・ない」
「私も大丈夫よ!ヨウは?」
「私は大丈夫だって!」

タズナもヨウの活躍で目立った傷はなかった。


「・・・こいつら霧隠れの中忍ってとこか」

カカシは木に縛った二人組の忍を見据えながら言った。

「こいつらは、いかなる犠牲を払っても戦い続けることで知られる忍だ」
「・・・なぜ我々の動きを見きれた」

霧隠れの忍の一人がカカシを睨んだ。

「・・・数日雨も降っていない今日みたいな晴れの日に水たまりなんてないでしょ」
「あんた・・・それ知ってて、何でガキにやらせた?」

タズナはカカシに聞いた。
すると、カカシはこう答える。

「私がその気になればこいつらくらい瞬殺できますが・・・私には知る必要があったのですよ。この敵のターゲットが誰であるのかを・・・」
「どういうことだ?」
「つまり狙われているのはあなたなのか。それとも我々忍のうちの誰かなのか・・・ということです」

そう言うと、カカシは目を細めた。

「我々はアナタが忍に狙われてるなんて話は聞いていない。依頼内容はギャングや盗賊など ただの武装集団からの護衛だったはず。これだとBランク以上の任務だ・・・」

タズナはカカシの言葉を黙って聞いていた。

依頼は橋を作るまでの支援護衛だったはず。
・・・それなのに

「敵が忍者であるならば・・・迷わず高額な“Bランク”任務に設定されていたはず。なにか訳ありみたいですが依頼でウソをつかれると困ります。これだと我々の任務外ってことになりますね」
「・・・」


その話をこっそり聞きながら、
ヨウがアコミの体の中の棚から傷薬を取り出していると、
後ろからサクラの叫び声が聞こえてきた。

「ナルト!何やってるのよアンタ!!」
「!?」

急いで後ろを振り返ると、
ナルトが傷口をクナイで傷つけて、毒血を出していた。

「(麻酔もせず・・・!?絶対痛いはずなのに・・!!)」

「俺がこのクナイでオッサンを守る!・・・任務続行だ!」


そうナルトが決意を決めて言う最中、
地面に、パタパタと音を立てて
赤い血が落ち、地面を赤く染めていった。



「・・・な、ナルト・・・。」
「ナルト・・・景気よく毒血を抜くのはいいが、それ以上は・・・出血多量で死ぬぞ♡」
「ぬおぉ!ダメ!それダメ!こんなところで死ねるかってばよ!!」
「はあ・・・先が思いやられる。」

「ナルト!死にたくなかったらさっさと手出して!アコミ、薬と包帯!」
『・・・了解いたしました』

そう呆れながら、ヨウはナルトの手を取り、
傷口に薬を塗ろうと、持っていたハンカチで傷を覆う血を軽く拭いた。
その瞬間、ヨウの手が止まる。

「(・・・傷口がもう、治りかけてる・・・やっぱ九尾の影響って、凄いみたいだって・・・)」

ヨウはそう思いながら、治りかけの傷口をじっと見つめた。
その時、ナルトが心配そうにヨウに話しかける。

「なあ・・・ヨウ!あのさ、あのさ、俺ってば大丈夫・・・?」
「んー、毒の影響でいつもみたいにヒーリングで完璧に治してあげられないけど、まぁ大丈夫だと思うんだって。これに懲りたら無茶しないでよね」

そう言うと、ヨウはナルトの手に
綺麗に包帯を巻いた。

「アコミ、もういいよ。戻って」
『はい、御主人様・・・』

ヨウはそう言うと、白色の巻物を開いた。
するとアコミは吸い込まれるように巻物に入っていった。

「ナルト!アンタって自虐的性格ね。・・・それってマゾよ!」
「・・・ウスラトンカチが」

サクラとサスケはそう呆れて笑った。

「・・・」

その話をこっそり横で聞きながら
ヨウはふと、自分の手を見た。

「・・・えいっ」

そして何を思ったのか、ホルスターの中に入っていたクナイで軽く手のひらを切る。
ぷつ、と皮膚が切れて、
すぐにジリジリとした痛みと共に、少しづつ血が流れ出す。

「(やっぱ痛い・・・っ)」

涙目になりながらヨウが傷口の血を拭くと、
さっきのナルトと同じく、もう傷口はふさがっていた。

「(・・・昔から傷の治りは早かったけど・・・玉藻の影響だったんだ・・・)」
「(薫達は治りが遅いからおかしいと思ってたんだって・・・)」


そして、涙目になりながら(自業自得)ヨウがさっきの傷痕を撫でていると・・・

「・・・先生さんよ、ちょっと話したいことがある」

タズナさんが、カカシ先生に向かってそう言った。

・・・でだ。

私にはあまりその話が分からなかったけど、
超簡単にまとめるとこう。

@タズナさんは、忍に命を狙われている

A相手はガトーという、財力と暴力を盾にしている大金持ち

B波の国の外交手段は、今現在すべてガトーに握られている

Cそのため波の国はすごく貧しく、高額なBランクの依頼を頼めない

Dタズナさんが作っている橋が完成すれば、国の人々は自由に貿易や職探しが出来る

・・・という事らしい。

誰もが呆れた目をして、カカシ先生はため息を吐きながら、
国に帰る間だけ、タズナさんの護衛を続けると告げた。

その時、タズナさんが小さく「勝った」と言いながらガッツポーズしたのが見えた。

・・・マジで最悪な依頼人だって。



そしてそれから・・・。



「・・・すごい霧ね、前が見えない!」
「ぷはっ・・・おじさん、こっちで合ってる?」
「あぁ、そろそろ橋が見えるはずだ。その橋沿いに行くと波の国がある」

霧に隠れながら船で移動する私たち。
だけどエンジンとかを切って静かに行かないと、ガトーに見つかるとタズナさんの友達のおじさんが言うから、
私が文字通り一肌脱いで大きめの魚(サメよりは小さいけどね)に化けて、
船のロープを咥えて引っ張って泳いだ。

泳いで引っ張っていった方が
たぶん手でこぐより静かだと思うんだって!

泳ぎながらすっ、と目線を上げると、
ぼやぼやとだが大きな影が見えてきた。

「・・・うひょう!でっけェーー!」
「コ、コラ!静かにしてくれ!この霧に隠れて船出してんだ・・・」
「!」

おじさんにそう言われ、ナルトは口を両手でふさいだ。

「もうすぐ国に着くぞ。タズナ・・・どうやらここまでは気付かれてないようだが、念のためマングローブのある街水道を隠れながら陸に上がるルートを通る」
「・・・すまん」
「嬢ちゃん、悪いがあっちの方へ引っ張ってくれ」
「はいっ」

そう返事をすると、
ヨウは体を完全に水に沈めて、再び泳ぎ始めた。


「・・・っくしゅん!!」
「大丈夫、ヨウ?水の中になんて入るから・・・」
「だいじょーぶだよ、サクラ。この天気じゃ服もすぐ乾くだろうし」
「そう?」
「うん。バカは風邪ひかないって言うs・・・えっくしっ!!」

さっき水の中に入ったおかげで
ぐっしょぐしょになった服を絞りながらヨウは困ったようにそう言った。

「よーしィ!ワシを家まで無事送り届けてくれよ!」
「・・・はいはい」

偽って依頼をしておいて、
それでも守ると言った先生にむかって、何故そんなに偉そうなの・・・?

と思いつつ、ヨウは水にぬれた髪を
手でぎゅっ、と絞った。

「(えーと、この話はこの後どうなるんだったかな・・・確かこの後・・・)」
「そこかぁーーっ!」
「ひぅうっ!?」

ヨウがそんなことを考えていると、
目の前ギリギリにナルトが投げた手裏剣が飛んできた。

そしてヨウの髪が切れて、地面に落ちる。(あれ、デジャヴ?)


・・・また切られたんだって・・・!!
この前のクナイで切られた部分が、ようやく自然に伸びて元に戻ったばっかりなのに・・!!

・・・くすん。
本当はダメだけど、あとで無理やり伸ばしておこう。

だって顔にかけてた部分切られたから、
バランスがむちゃくちゃなんだって。


「フ・・・なんだネズミか」
「・・・って、何かっこつけてんのよ!そんなとこ初めから何もいやしないわよ!」
「このウスラトンカチ!!ヨウに刺さるとこだったぞ!」
「・・・コ、コラ!たのむからお前がやたらめったら手裏剣使うな!マジで危ない!」
「こら!チビ!まぎらわしいことすんじゃねェ!」

皆にそう言われ、
ナルトはばつが悪そうにこっちを向いた。

「え、あー・・・ヨウ、悪ィってば」
「・・・あー、いいよ。髪はまた伸ばせばいいし、刺さらなかっただけマシだし、気にしてないんだって」

そうヨウが言った数秒後、
再びナルトが手裏剣を茂みに投げた。

「そこかァー!」
「!?」

しかし(もちろん?)、茂みからはなんの反応もない。
そして、手裏剣を投げたナルトはサクラに怒られる。

「とりあえず見に行ってみるんだって・・・」

恐る恐るヨウが茂みをかき分けて確認しにいくと、
そこには白いユキウサギが涙を流しながら気絶していた。

「・・・あ!ナルト!なんてことすんのよ!」
「そっ、そんなつもりは・・・ごめんよウサ公!!」
「ほっ・・・なんだぁ、ウサギか」

それを見てヨウは胸をなでおろす。

「(・・・あれ?何かがおかしい)」

この時期、ユキウサギの毛色って・・・

「!!」

その瞬間、ヨウの背中に粟立つような悪寒が走った。

「(・・・殺気!!)先生、来ます!」
「全員ふせろ!」

ナルトをサクラが、タズナさんをサスケが地面に押さえつけた瞬間、
みんなの頭上を、2つの何かが凄まじい勢いで通り過ぎた。

そして、
その二つの何かが別々の木に刺さり、見上げれば二人の人が立っていた。

よくよく見れば、木に刺さったのは大きな刀。

片方は大きな包丁のような刀
もう片方は、斧と鎌が融合したような不思議な形の刀だった。

その上に乗っているのは大きな体の男と、
その男によく似た、同い年くらいの傷だらけの少女。

「へー・・・こりゃこりゃ。霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃないですか。隣に居るのは噂の一人娘の、桃地黒ちゃんだね」


カカシが再不斬という男と黒という少女を見上げながら言うその横では、ナルトが今にも飛びかかりそうな様子だった。

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