君が流したユメナミダ。


波の国へ


「(ほら見て、あの子よあの子)」
「(ああ、例の子ね)」

「(レベル7?危険すぎる!)」
「(あんなのを生かしてどうする気!?)」

「(合成能力に複合まで?)」
「(兵部の再来だ!)」


「「「「(あいつは“化け物”だ!!)」」」」







「・・・ねぇ、あの・・・・」
「お前、エスパーだろ!」
「気持ち悪い!近寄らないで!」
「逃げろ、殺される!」

私を見るだけで走り去っていく子たち。

私は何もしないよ、ただ友達が欲しいだけなのに・・・

だから私はいつもぬいぐるみを抱いて
たった一人で泣いていた。

笑うなんてできない、笑う理由がないから。
話すこともできない、話し相手がいないから。




あれ?

私はいつから笑えたんだっけ。

私はいつから話せるようになったんだっけ。

私はいつから、ぬいぐるみなしで
人とかかわりあえるようになったんだっけ?



私はいつから、ナルトを―








「・・・!」



「ヨウ!」



「・・・ヨウってば!!」



「ん・・・」
「よかった、目が覚めたのね!!」
「あ・・・そっか、私気絶してて・・・」

目が覚めてもなおズキズキと痛む右手には、
カカシが巻いたのか、包帯が綺麗に巻かれていた。

「(くっそー・・・油断したんだって・・・。いつもなら戦車相手でも平気なのに)」

私がそう悔しがっていると、大事なことを思い出した。

「そう言えば!再不斬は?黒はッ!?」
「・・・それが・・・」

サクラの口から再不斬たちが暗部の子に殺されて連れていかれたことを聞くと、
ヨウの口からふぅ、と
安堵からか悔しさからか分からないため息が漏れた。

「・・・ヨウ、動ける?」
「うん。痛みで失神しただけだから。ケガもそんなにないし」
「ヨウ、本当に大丈夫かよ?・・・ほら!」
「もー、大丈夫だってば!みんな心配性だってー」

ヨウはそう言うと、
リミッターの電源を入れてからナルトが出した手を掴んで、
座った状態から立ち上がる。

「さ!ヨウも起きたところで、俺たちもタズナさんを家まで連れて行かなきゃならない。元気よく行くぞ!」
「ハハハッ!みんな超すまんかったのォ!まあワシの家でゆっくりしていけ!」

そうタズナさんが笑った瞬間、
カカシ先生がスローモーションのようにゆっくりと前のめりに倒れた。

「!?」
「なに!?え・・・どうしたの!?」
「カカシ先生ー!?」
「・・・だ、大丈夫ですか先生!?」
「写輪眼を使いすぎて・・・・か、体が・・・動かない・・・」
「えーーーッ!?」

その時、ヨウは諦めたようにため息をついた。

「・・・分かりました、私がまた一肌脱ぎますよ」

そう言うと、ヨウは髪の布と髪飾りを取った。

「ナルトー、ちょっと持っておいてほしいんだって」
「え?・・・別にいいけど・・・」
「(・・・ん?なんかナルト顔赤いけど、熱でもあるのかな?)」

そう思いながら、ヨウはナルトに髪飾りと布を手渡した。


ヨウはそう言うと、いつもの能力で栗毛の大きな馬に化けた。
そしてサイコキノでカカシを持ち上げ、
自分の背中にそっと乗せる。

「外見は馬でも中身は私なので、間違っても落馬はさせませんから安心してください」
「あぁ・・・」
「タズナさん、案内お願いしますね」

そして6人は、波の国へと進んでいった。


「・・・はっ・・・はあ・・・」
「ヨウ・・・本当に大丈夫?」
「少し、休めば・・・大丈夫・・・」

未だに直らない荒れた息。
ぜーぜーと荒く息をしながらヨウはそう言った。

ちなみに今の現状は、
タズナの家について早々ヨウも倒れ、
サクラにひざまくらをしてもらって、横になって休んでいる状況。

「やっぱりその「いーえすぴー」ってのは便利な力なだけに、それ相応の利子が返ってくるのかしら?」
「ん・・・まー、そんな感じだって」
「ま、いろいろあったんだし、しばらく私のひざまくらで寝てなさい」
「ありがと、サクラ」

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