君が流したユメナミダ。


若芽の恋に思いを馳せる


それからが大変!

先生は燐君の弟だったらしく、いざこざがあって・・・
授業に使うための腐った血の試験管が落ちて、あたりにゴブリンがたくさん集まってきた。
私自身も、血の匂いでおかしくなりそう。

教室は危ないから、先生がみんなを外に出した。

「きゃっ!!」

私も逃げようとしたとき、2匹のゴブリンが
私の頬を切り、ペンダントに少し傷をつけた。
私は痛みを感じませんが・・・傷付けられたということに腹が立ちました。

「・・・もうキレましたからね!」

私はスペルカードを出した。

「“縛符 ロザリオスピンドル” “水符 懺悔の水龍”!!」

そう言うと、空亜の手には、ロザリオがぐるぐるに巻かれたスピンドル(紡ぎゴマ)が現れ、
空亜の足元には、水でできた龍が5匹ほど現れた。

「蛙隈さん・・・?」
「空亜!?なんだそれ!?」
「いいから!」

見ると、燐君も蒼い炎を出して剣で戦っている。
先生も銃を撃って戦っていた。

「はあっ!!」

空亜はロザリオをゴブリンに巻きつける。時には何匹もまとめて巻きつけた。
巻きつけたそばから、水でできた龍がゴブリンを倒していく。


そして暫くたつと、周りに居たゴブリンはほとんど居なくなっていた。

「ふぅ・・・これでいいでしょう」
「空亜!後ろ!!」

燐君の声が聞こえたから振り向くと、そこには大きなホブゴブリンが。

スピンドルを出す暇もなく、もう駄目だと目を瞑ったとき、
外から何かが飛んできて、ホブゴブリンに当たった。
ホブゴブリンがそっちに気を取られているすきに、水龍がホブゴブリンを倒した。

「た、助かった・・・」

正直、すごくビックリした。
まだまだ修行が足りないなぁ・・・。

ゴブリンを全て倒した二人が、声をかけてくれた。

「大丈夫か!?」
「怪我は!?」
「だ、大丈夫です。水龍が助けてくれたし・・・」

そう言って、私は近くに居た水龍を撫でる。
水龍はぐるるるるる、と声をあげて喜んでいた。
撫でた後、水龍とスピンドルをスペルカードに戻して、ポケットにしまった。

「まぁ、無事でよかったぜ。」
「授業再開ですね」
「はいっ!」

ころ、と音がして見てみると、
そこには舐めかけの、棒についた飴が転がっていた。


そして。旧男子寮で、燐君と出会った。

「あら、燐君じゃない!」
「蛙隈さん?」
「おまっ、何でここに!?」
「そりゃもちろん、私もここに住んでるからですよ。」

空亜は髪を耳にかけて、くすりと笑った。

「そ、そうか・・・」
「ところで燐君「燐でいい。」
「え?」
「君付けって何か落ち着かねぇから・・・燐でいい」
「じゃあ、燐。昼間はありがとう。教えてくれなかったら私きっと食べられてました」
「別に、たいしたことじゃねぇよ」
「そうですかね?」

少し照れる燐に、私は笑いかけた。

「私は五〇五号室に居るから、困ったらいつでも声をかけてくださいね」
「あ、あぁ」

そして、私たちはお互いのことを話した。
燐は、実はサタンの子だということ・・・
私が実は悪魔だということは内緒にしておいた。
まぁ、雪男さんはメフィストさん経由で知っているんだけど・・・

そんな話をしていたら、いつの間にか夜になっていた。

「じゃあ、私は戻りますね。何かあったら遠慮なくどうぞ。」
「こちらこそ、何かあったら言ってくださいね」
「おやすみなさい。」
「おやすみ」

そして私は、部屋に戻った。


部屋に戻ると、即座に変身を解いた。

「ふぅ、長い時間変身してると意外に辛いわ」

空亜はそう言って、自分のペンダントを見つめた。
昼間のゴブリンのせいで、少し傷が入っていた。

「昔の私なら、こんなの平気だったのに・・・」
「でも昔の私なら、こんな風に誰かと仲良くすることなんて出来ないから・・・」

赤い髪の毛をさらりと靡かせ、空亜はそう呟いた。

そして、夜は更けていった・・・



そして次の日。
私は、アマイモンさんと約束していたお菓子を作ることにした。
材料はメフィストさんが用意してくれたし。
あの人凄くお金持ちなんですね・・・カードが金色でしたよ。

「さて、作りますか」

お気に入りのピンクのフリルがついたエプロンを着け、ケーキを作り始めた。
傍には、お手伝いの小悪魔2と3が居る。

「こぁーっ!いいな、いいなー!」
「空亜様のケーキ、いいなー!」
「わかったわかった。貴方達の分も焼いてあげますからね」
「こあこあーっ!」
「やったー!」

そういって、空亜はてきぱきとケーキを作っていく。

「こあーっ、いいにおいー」
「いいにおいー」
「本当に、いい匂いですね」
「え・・・?」

小悪魔の声に混じって、聞き覚えのある声がしたから振り向くと、
そこにはアマイモンが座っていた。

「あ、アマイモンさん!!」
「空亜、遊びに来ました」
「そうですか。ちょうどアマイモンさんと約束していたケーキを焼いてますから、出来上がったら理事長室に届けますね」

そう言うと、アマイモンは「ワーイ」と言って喜んだ。

「(いい人だなぁ・・・。私と同じ悪魔だし、優しいし、カッコいいし・・・)」
「こあっ、空亜様。私たちは帰りますね」
「えっ?」
「どうぞお幸せに〜っ」
「行くよ、小悪魔2」
「おうよ、小悪魔3」

そう言うと、二人は幻想郷に戻ってしまった。

2人の間に沈黙が訪れる。

その沈黙を破ったのは、空亜だった。

「あ、アマイモンさん」
「なんですか」
「どうしてアマイモンさんは、こんな中途半端な私を選んでくれたんですか?」
「中途半端?」
「私、これでも昔はすごい悪魔だったんですよ。でも今は、ある方にほとんどを封印されて、使い魔として働いています」
「・・・そうですか」
「こんな中途半端な悪魔、笑えますよね」
「僕はそう思いません」
「え・・・っ」
「僕は、空亜に惹かれました。空亜でなきゃ駄目なんです」
「アマイモンさん・・・」
「空亜も、僕でなきゃ駄目だといいんですが・・・」
「アマイモンさんっ!!」

空亜は、アマイモンに抱きついた。

「嬉しいです、そんなに思っていただけるなんて・・・!」
「空亜、そういえば言い忘れていた言葉がありました」
「・・・なんですか?」
「愛しています、空亜」
「・・・っ!!」

空亜は、抱きつく力を少し強めた。
そして、どちらからか優しいキスをした。



ーーーーーーーーーおまけーーーーーーー
「何か焦げ臭いです」
「Σあぁっ!!」

ドタドタドタ

「ああっ、ケーキ焦げちゃいましたぁ・・・。」
「・・・」←めっちゃ泣きそうな顔
「アマイモンさん、また作りますから泣きそうな顔しないでください・・・」

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