君が流したユメナミダ。


裏切り小鳥は空を舞う


(ネタから加州清光夢)





「今まで、お世話になりました」
「私は審神者として、本丸へ参ります」



今まで気味悪がって閉じ込めておいて、
急に「審神者として本丸へ行って戦え」など、反吐が出る。



「(・・・主の制止が無ければ、こんな奴らなんか俺が一瞬で肉塊にできるのに)」
「(駄目よ清光、大人しくしていてね)」


触れただけで壊れるような雛のふりをして、
私はこの檻から飛び去るの。

そうでもしないと、私はこの檻の扉を開けてすらもらえない。


「でも、私には刀がありません」

「無礼を承知で申します、私に加州清光を・・・くださいませ。」


「なんて図々しい女だ!」
「あの名刀を、寄越せと言うのか!?」



・・・私が、図々しいですって?
それなら、私と引き換えに大金を手に入れた、貴方たちはどうだというのかしら。


「・・・まあまあ、よいではないか。」
「女の旅に武器は必須だ、遠慮せず持っていくといい」


・・・善人面した豚が鳴く。
「あの刀一本で手を切れるなら構わない」、そんな顔をして。



「では、ありがたく頂戴いたします」



これから私は旅に出る。
檻から追い出されたばかりの小鳥のように。


何年振りかの外。
・・・長い監禁生活で、すっかり体がなまってしまったわ。



「・・・主、大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ」


片手を清光に握ってもらい、何とか歩き出すことができた。

初めて陽の光で見た清光は、
蔵の薄明かりじゃわからない、細かい傷があちこちについていて、なんとも痛々しい。


「今の俺・・・傷だらけで汚いから、あんまり見ないで、主」
「ごめんなさい、蔵の手入れ道具じゃ傷を全部埋められなかったのね?」
「綺麗じゃない俺を見ないで・・・」
「大丈夫よ、清光。貴方は私の愛刀、手放しなんてしないから」
「・・・主」


戦いなんて知らない。
私には、清光さえ傍に居ればいい。



「本丸にも手入れ道具くらいは置いてあるわよね?着いたら、すぐに手入れをしてあげるから・・・」




本丸に行ったって、私は戦うものですか。
私は清光と幸せになりたいだけだもの。





裏切り小鳥は空を舞う









リハビリ。

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