君が流したユメナミダ。


星の一族と心の一族


・・・奇妙な物語はここから始まる。





あるところに、4人の男女が居た。


星の痣を持った男は、空の星を見た。

金色の髪をした男は、地面の泥を見た。


心の形の痣を持った女は、笑って太陽のほうを向いた。

赤色の髪をした女は、涙ぐんで月のほうを向いた。







「彼女」がジョースター家にやって来たのは、
ちょうど、ディオがジョースター家にやってきてから3か月目の事。

・・・そして、ジョナサンがディオに嫌がらせを受けている最中でもあった。



「・・・あれ、何だろうあの馬車?」



暇つぶしにジョースター家の敷地の木に登っていた
ジョナサンの視界に入ったものは、
何日かぶりに見た、ジョースター家以外の貴族の馬車であった。

気になったジョナサンは木から飛び降り、
急いで屋敷に戻っていった。








「・・・ごめんなさい、急に「離婚してここに戻る」なんて言ってしまって・・・」
「構わないよ、ミサエル。でも、離婚するなら相談してくれれば・・・」
「ごめんなさい・・・だけれど私はそれでいいの。だけれど、マリーたちが可哀想で・・・」
「・・・そういえば、マリアは?」
「マリーなら、今屋敷の外に・・・」

「・・・はぁ」


まったく、大変なことになっちゃったなぁ・・・

親が離婚して、姉妹別れ別れになりました、まる。

・・・って、笑えないんですが。

私の可愛い可愛いエリナァー!
いつものあいつら(いじめっ子)にいじめられてないよね?

「(いじめられてたら、すぐにぶん殴りに行ってあげるからねー!)」


まるで「不思議の国のアリス」のように愛らしい格好をしているが、
レディーらしからぬ考えを持つこの少女は
マリア・ペンドルトン。

・・・いや、今は母の離婚によって名前が変わり、
「マリア・ヴェルハート」という名である。

特徴的なサファイアブルーの目と、金糸のような美しい髪。
それとハート形の赤黒い特徴的な痣を頬に持つ、
この時代には珍しい血気盛んな、しかし素晴らしい優しさを併せ持つ少女であった。

彼女には
エリナ・ペンドルトンと言う妹が一人居て、
その妹と、離婚によって離れ離れとなっていた。

マリアはその寂しさもあってか、
また、ため息を一つ。

「(それにしても、今日からここでしばらく暮らすのかあ・・・)」
「(・・・何か男の子が二人いるって聞くじゃない。まあ男との付き合いは結構慣れてるけどさ)」


マリアは一応レディーとしての教育は受けているのだが、
女の子と人形遊びをするより、男の子と草むらで遊ぶ方が好きな
よく言う「変わり者」であった。

町の少年や少女たちに「マリー」と呼ばれ慕われるのがいつもの日常。そのせいか喧嘩もよく売ったり買ったり。
しかし女性にしては喧嘩がめっぽう強く、8歳のころにはもうすでに
町の女ボスへと成り上がっていた。

「・・・ふう」


マリアがため息を一つつくと、
母であるミサエル・ヴェルハートがマリアに声をかけた。


「マリー、マリー!こちらにいらっしゃい!」
「・・・はい、お母様」

スカートを持つミサエルの右腕には、
マリアと同じ赤黒いハートの痣が、その存在を主張していた。

「ジョジョ、ディオ、今日から少しの間だが一緒に暮らすマリアだ。」
「さ、マリー。二人にあいさつしなさい」
「・・・はーい」

そう言うと、マリアは二人の前に立った。

「初めまして、マリア・ヴェルハートよ。皆からは「マリー」って呼ばれてるわ。」
「・・・これから少しの間だけど仲良くしてね」

「僕はジョナサン・ジョースター。みんなからは「ジョジョ」って呼ばれてる。これからよろしく」
「ええ、光栄だわジョジョ。これからよろしくね」

「僕はディオ・ブランドーだ、「ディオ」とでも呼んでくれ」
「ありがとう、ディオ」

二人と握手し、表面上では笑っていたものの・・・

「(ジョジョって優しそうだけど、何だか頼りないなぁ。・・・すぐ騙されちゃいそう)」

「(ディオは・・・あのすべてを憎むような目が嫌い。あんまり仲良くもなれそうにないな、これは)」

心の奥底ではそう思っていた。

「ねえマリー、ちょっといいかい?」
「・・・え、ええ。なあに?」
「君のその頬についている赤黒いハートは痣かい?」
「ええ、生まれつきの痣よ。「ヴェルハートの血統の証明」なんていうけど、こんな位置で目立つから困り者だわ」
「でも、すごく可愛い痣だと思うよ」
「・・・そう?そんなの言われたの初めてだわ。褒めてくれてありがとう、ジョジョ」

そう言うと、マリアはにこりと嬉しそうに笑った。




- 20 -

*前次#


ページ:



ALICE+