あの人は忘れてしまったのです、何を信じるのかを
(依存気味なプッチとシャルル)
「・・・神父様の手は、暖かいのですね」
シャルルは床に直に座り、
椅子に座るプッチの手を頬に当て、そう言った。
まるで子供が親に甘えるがごとくすり寄り、甘えたような笑顔を浮かべる。
プッチはそんなシャルルを邪魔っ気に扱わず、愛でるように頭を撫でた。
「貴方の手は、何よりも美しく尊いのですわ。それこそ、神の手にも負けないほどに」
「そう言ってくれるのはシャルル、君だけだ。・・・私の手は、黒く染まっているというのに。」
「・・・私は、そう思いませんわ。私にとっては、神こそが黒く染まった存在ですもの。」
「ダメだ、シャルル。・・・そんなことを言っていては「天国」へ行けなくなってしまう」
「私は「天国」へなど行けなくても構いはしません。貴方のためならば地獄へ行き、悪魔にこの異形の体を食らわれてもいいのです」
「・・・」
シャルルは自分の手に胸を当て、こう言った。
「私の「神への信仰」は、神が私という「失敗作」を作った時点で失せてしまったのです。」
「・・・私が今、最も信じ愛するのは、神父様のみですわ」
「神にも見放された私を愛してくださったのは神父様だけですもの。私にはもう神父様しかいないのです」
そうシャルルが言うと、
プッチはシャルルの腕を引いて立たせ、自分の膝の上へと座らせた。
シャルルは驚きと恥ずかしさから頬を少し赤くする。
「・・・君は本当に素晴らしい人間だ、シャルル。」
「私は神父様のためなら何でもいたしますわ。こんなに愛していただいているのに何もしないなんて、私の良心が痛みますもの」
「もう少しだけ・・・私のために役に立ってくれ、シャルル」
「わかりましたわ、神父様」
シャルルがそう言って頷くと、
プッチは嬉しそうにシャルルにキスを落とした。
あの人は忘れてしまったのです、何を信じるのかを
意外と嫌いじゃない相互依存カップル。
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