おいでよフェレス
普通の子なら、ココで泣くかどうかするんだろうけど、僕は違う。
「・・・しょうがない、美術館をもう1回調べて、出るところを探そうか。」
そして僕は、ドアから離れて
美術館を散策することにした。
まず、受付近くの窓を調べてみる。
「うーん、曇ってて見えないや」
そして、もう一つの窓を調べようとすると・・・
ピチャ・・・
窓の外から赤い液体がたれてきた。
「やだ、気持ち悪い」
それだけ言って、フェレスは他の場所を探しに行った。
本当に、一体どうなってるんだろう?
探す途中で、咳が聞こえてきたり、猫の鳴き声がしたり、窓を叩く音がしたり・・・
「・・・別に怖くないけど」
いちいち怖がってたら、日が暮れる。
・・・太陽見えないけど。
そして僕は、また、
あの大きな絵の前に立った。
気がつくと、絵からオレンジの絵の具が、
ピチョン・・・ピチョン・・・と、垂れていた。
見ていると、とたんに
タン、タン、と軽い音が、
僕の後ろで、した。
振り向いてみると、大きな文字で、オレンジの絵の具で、
《おいでよフェレス》
と、書かれていた。
「・・・行けばいいんでしょ、行けば」
僕はため息をついて、前を向きなおした。
すると、絵の具が文字みたいになっていた。
それには、こう書かれていた。
《したにおいでよ フェレス》
《ひみつのばしょ おしえてあげる》
・・・本当にこの美術館は
僕をめちゃくちゃに困らせたいらしい。
そうして僕は階段を下りた。
「下」と言うのはきっと一階に違いない。
「・・・ドンピシャリ」
「深海の世」の周りを取り囲んでいる柵の一つが無くなっていて、青い足跡がついていた。
「・・・行くしかないか」
僕は助走をつけて、絵の上に飛び乗った。
・・・ハズだったのに。
とぷん
そう軽い音を立てて、絵は僕を水のように飲み込んだ。
ゆっくりと沈んでいく僕の体。
息が全然出来ないし、凄く苦しい・・・!
上がろうともがいても、僕はどんどん沈んでいく。
「(・・・僕、死ぬのかな・・・)」
そう思い、僕はもがくのをやめた。
意識がどんどん遠のいていく。
そのとき。
・・・グイッ・・・!!
誰かが、僕の腕を引っ張った。
小さいけれど、柔らかくて、凄く暖かい手・・・。
僕の意識は、そこで途切れた。
最後に見えたのは、金色と緑色だった・・・。
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