君が流したユメナミダ。


涙の裁き


「黒華さま、何をお嘆きになっているのですか?」
「・・・なんでもない。」
「そうですか。」

そういって、一歩一歩と足を進める二人。

「・・・着きましたよ。黒華様、四神の皆様がお待ちです。」
「わかっておる。お前は下がっておれ。」
「では、失礼いたします・・・」


時少女を下がらせ、裁きの場につながる扉を開く。


「黒華・・・ただいま参りました」

《遅かったのぉ、黒華とやら》
「・・・少し用事がありまして」
《まぁいいじゃあありませんか。裁きを始めましょう・・・》
《そうだな。》

そういって、玄武が裁きを始める合図の変わりに、大きく吼えた。

《まず黒華、お前は2人の人間をいろんな世界に送り、そしてその世界で有利な力も与えた。・・・これに間違いはないか?》
「・・・間違いありません」
《では次に、その2人の人間はお前の元娘だった・・・間違いはないか・・・?》
「・・・はい。間違いありません・・・」

そう黒華が告げた瞬間、四神は騒ぎ出した。


《なんと言うことだ・・・!》
《神の中でこんなことをしたのは、黒華がはじめてよ・・・!!!》
《神にあるまじきヤツだ、すぐに死罪にしろ!》
《最低な神ですな》

「・・・死罪は覚悟しています・・・ですがその前に私の話もお聞きいただけますか・・・?」

黒華は、ぽつりぽつりと話し出した。


「私は生前、ただの人間でした・・・しかし、過ちで身を落とし、遊女になってしまいました・・・誰ともわからない子供を2人も宿し、私もあせっていたのかもしれません。ある日私は・・・こともあろうに、自分の子を売ってしまったのです!」

《なんと言うこと・・・》
《なんて残忍な!》

「そして・・・ある日私は死にました。車に轢かれて・・・そして、死後の世界でうろついていた私を、時神様が拾ってくださいました・・・。そして暫く、死後の世界の死者をまとめる仕事をしていました。そしてある日、私の娘が・・・死後の世界に来ました。私は後悔しました。売らなければよかった。傷つけなきゃよかった・・・と。」

《母親としても神としても失格だな》
《最悪ですね》

「でも娘は私に気がつかないようでした。私は、こともあろうかに、娘達に聞きました。“他の世界を回りたいか・・・?”と。娘達は答えました。“はい”と。そして私は、神としてあるまじき行為をしました。娘達に力を与え、異世界に飛ばしたのです。」

《なんてことだ・・・!》
《神として最悪の行為をしたのだぞ!》

「そして・・・私は何度もその行為を続け・・・この前時少女にばれ、裁きを受けることになりました・・・以上です」

《最悪な神だな!》
《最低・・・!》

「私は死罪をも覚悟しております。貴方様達に裁きを任せます・・・」


そして四神たちは相談しあい、白虎が結論を出した。


《言うまでもないが・・・お前は自分の身を落とし、自分の子供を売り、そして傷付け、そして神にあるまじき行為をした・・・よって、黒華は・・・力を取り上げ、罪良心の刑に処し・・・死罪とする!!》

「・・・」

黒華は黙っていた。


《刑執行は、あと2週間のちにする。それまでは、時少女の監視つきで、牢に入れる。》
《白虎・・・そこまでなさらなくても・・・》
《朱雀は黙っておれ!》
《・・・》


「わざわざありがとうございました。」


そう言って、黒華は時少女を呼び、牢へ向かった。

大粒の涙を流しながら・・・

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