君が流したユメナミダ。


ねえ、お願いだから


ねえ、お願いだから(クシロ×ビゼン)


「ビゼン、風邪をひいちゃうよ」
「ん?」

ビゼンの少ない趣味である焼き物制作。
・・・それはいいのだが、環境が問題だ。
ところどころ隙間の空いているアトリエ、しかも今は冬。
隙間風が容赦なく吹き込み、寒さに強いクシロでも、
ガタガタと体が震えてしまうほど。

「あー、ごめんね。もう少ししたら終わるから先に家に入っててよ」
「駄目だってば。もう少し待っとくから一緒に入ろうってば」
「わかった。じゃあさっさと作っちゃうね」

そう言って、またろくろに向かうビゼン。
土まみれになっても綺麗な手が、粘土を造形していく姿すら、美しくて。

「ねえ、クシロ」
「何?」
「今私が作ってるの、何かわかる?」
「・・・茶碗、とか」
「ふふっ、正解!夫婦茶碗作ってるの」
「え?でも夫婦茶碗ならあそこに・・・・」

そう言うと、クシロは棚に置いてある、
まだ焼かれていない二つの大きさが違う茶碗を指さした。

「うん、あれはもう完成してるの。今作ってるのは子供用のなんだ」
「子供用かあ・・・」
「えへへ、まだ先だけどね。・・・この茶碗を焼くころには居たりしてね」
「そりゃ楽しみだってば」

ねえ、お願いだから
(お腹の膨らんだビゼンは)
(嬉しそうに3つの茶碗を窯に入れた)


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焼き物、意外と好きです。

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