オレンジ色のペンダント


次の日。

目覚ましが鳴る前に起きた雪女は、寝ぼけ眼でちらっと、自分の机のほうに目をやった、
すると目に入ってきたのは、雪女の双子の兄である、
彰人の写真が入った写真たてだった。
彰人は昔に死んでいるので、入っている写真は幼いまま。
それを見ると、雪女はベッドから起き上がって、
そっとその写真たてを手に取った。

「・・・なぁ、兄ちゃん。そっちはいいところか?俺、今日から雷門中行くんだぜ!いいだろー?」

そう言うと、雪女は
つん、と写真たてをつついた。

「なぁ兄ちゃん。・・・俺、苦労することもあるかもしれねぇ。」
「だから、そっちで見守っててくれよな?・・・もちろん、兄ちゃんから貰ったペンダント、いつもこっそり付けていくからな!」

そして雪女はにっこりと笑って、写真たてを元に戻した。

そのとき、どこからか小さな声で
“あぁ 見守っていてやるよ”と
聞こえたことも知らずに。


そして写真たてを戻した後に、急いで制服を着始める。
着替え終わると、全身が写る大きな鏡の前に立ち、鏡に映る自分をまじまじと見つめた。

「・・・しっかしまぁ、我ながらこれ、意外と似合ってるな・・・」
「・・・あれ?自分で言ったんだけど、何か悲しくなってきた・・・あ、時間だ。」

そう言うと、
雪女はイナズママークのキーホルダーがついた学生鞄を掴み、
猫達にこう言った。

「・・・お前らー!俺が帰ってくるまで大人しく留守番してろよ!」
「「「「「「にゃー!」」」」」」

そういって、雪女は上機嫌で
1階に下りていった。


シャツがはだけて、少しだけ見える胸に、
オレンジ色のペンダントを輝かせながら―

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