蟠りを抱えて


俺が戻ると、試合は終わっていた。
雷門が勝ったのだ。

「秋ちゃん・・・勝ったんだよな?」
「勝ったんだよ、雪女くん!!」
「やっ・・・たぁ!」

俺達はぴょんぴょん飛び跳ねて、勝利を噛み締めた。

俺は、普通に戻った吹雪のもとへ駆け寄った。

「吹雪!お前のシュートで勝てたぜ!すげーよ!!」
「雪女くん。雪女くんのシュートも凄かったよ」
「俺は止められちゃったし、凄くなんかねーよ!」
「そうかな?」
「まっ、とりあえず勝ったんだぜ!」
「勝った、宇宙人に勝ったんだーーっ!!」
「あたしたちは勝ったんだー!!」

俺達は勝利をひたすら噛み締めた。

そして俺は、携帯で父さんに連絡した。

「父さん!見ててくれたか!?俺達、宇宙人に勝ったんだぜ!!」
《あぁ、美幸と一緒に見てたよ。お疲れ様だ、雪女。》
「ありがとな、父さん!」
《それにしても無茶しすぎだ!お前嫁に行けなくなるぞ!!》
「Σゲッ、母さん・・・」
《まぁまぁ美幸。じゃあ切るわ。これからも頑張れよ!》
「あぁ。」


でも、これで終わりじゃないんだ・・・


俺は携帯を持っていないほうの手を、ギュッと握り締めた。


そのとき。

「お前達は知らないのだ・・・エイリア学園の本当の恐ろしさを」
「何っ!?」
「我々はセカンドランクに過ぎない。我々の力など、イプシロンに比べれば・・・!!」

レーゼがそう呟いた。
その瞬間、あたりに声が響き、黒い霧が出始めた。
声がしたほうを向くと・・・
そこにはイプシロンが立っていた!!

そして、レーゼたちに向けてボールを蹴り、
眩しく光った。
そして、レーゼたちは消えていた・・・

「我らはファーストランクチーム、イプシロン!」
「地球人は知るだろう、我らエイリア学園の真の力を!!」

そして、イプシロンは消えた。

「イプシロン・・・宇宙人との戦いはまだ続くのかよ・・・っ!!」
「雪女・・・」
「(俺は、また狙われるのだろうか・・・)」

雪女は心の奥底で、それを心配した。

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