それとこれとは違うんじゃないか?


さっきの驚きを抑えつつ、道場に向かうと
道場の近くで皆が倒れていた。

「お、お前らに何が起きたんだ・・・」
「あっ、雪女くん!」
「・・・あそこだけつるつるしてる・・・。」
「なんでだろう?」
「Σ分かった!ワックスだ!!」

・・・こんなつまらない悪戯するのは、あいつしかいねぇ!!

そう思っていると、近くの茂みから声が聞こえた。

「うっしっし、ざまーみろ!!フットボールフロンティアで優勝したからっていい気になって!」

小暮がそういうと、塔子がめちゃめちゃ怒る怒る!
キャーコワーイ(棒

「お前ーっ!!」

そう言って塔子が柵を越えると、今度は落とし穴に落ちた。

「・・・塔子、大丈夫かー?」
「いてて・・・」
「あれ?雪女くん、ポニテに蝶が止まってる・・・」
「え、嘘!取って取って!」
「うん、取るよ?」
「うん・・・・ってあだーーーーっ!!」

秋ちゃんが俺の髪についた蝶を取ると、髪に激痛が走った。抜ける抜ける!!

「これ、よく見たら髪留めじゃない!!」
「超いてぇ〜〜〜っ、禿げる〜〜〜っ!!」
「うっしっし!ひっかかってやんのー!」
「この野郎!!アイススピアー食らわせるぞ!!」

そのとき。

「小暮!!」
「Σやばっ・・・」

男の子の声がしたかと思えば、小暮は逃げ出した。

「まったく、あいつは目を離すとすぐにサボって・・・。」

男の子はそう言うと、落とし穴から出てきた塔子を見て、驚いた表情を浮かべると、
すぐに塔子を引っ張り上げて助けた。

「大丈夫ですか!?」
「あは、大丈夫だよ、このくらい!」
「申し訳ございませんでした、うちの部員が失礼なことをいたしまして!」
「うちの、部員?」
「ってことは、あいつ・・・」
「「「サッカー部!?」」」

そう驚く皆を見て、俺はまだ痛む頭をさすりつつ、苦笑いした。

「あいつがかよ!」
「えぇ、小暮と言うんですが・・・困ったやつでして、周りを全て敵として見ているというか・・・」
「敵?」
「えぇ・・・」
「かなり性格歪んでんな〜・・・」
「同じサッカーをするものとして、恥ずかしい限りですね〜」
「でも、どうしてかしら・・・?」
「・・・小暮は小さい頃、親に裏切られたようで・・・」
「親に・・・?」
「えぇ、それからというもの、人を信じることが出来なくなったようなんです・・・」
「・・・」

春奈ちゃんや鬼道は、難しい顔をした。

「・・・で、何か私たちに御用でも・・・」
「あ、そうそう!」
「実はこちらに、エイリア学園から襲撃予告が来たと聞きまして・・・」
「襲撃予告?・・・あぁ、あれのことですか。」
「俺達も、一緒に戦おうと思ってさ!」
「・・・そうですか。では、どうぞ。ご案内いたします。」

そして。

「なるほど、よくわかりました。」
「じゃあ、俺達と一緒に戦ってくれるんだな!」
「いいえ、私たちは戦うつもりはありません」
「戦うつもりがない?」
「それって、どういう・・・・」

俺がそう言うと、漫遊寺のキャプテンはこう言った。

「私たちがサッカーをしているのは、あくまで心と体を鍛えるため。争うためではないので・・・」
「彼らには、私たちが戦う意思のないことを示して、お引取り頂きます。」

そう言うと、みんなざわつき始める。
染岡は怒るし・・・

「では、失礼いたします。修行の時間ですので・・・」

そういうと、彼らはどこかに行ってしまった。

「・・・(邪念、ねぇ)」



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