ひとつのひび割れ
次の朝、俺は春奈ちゃんと小暮の様子を見に、グラウンドに出た。
見てみると・・・ちょっとアレだったが。
「(古株さんからボール奪えないって・・・。スピードよくてもあれじゃな〜)」
そう苦笑いしていると・・・
「ん?(黒い・・・霧?)」
まさかと思い、俺は守たちのもとへ
走って戻った。
「守!」
「雪女!」
「この黒い霧は・・・」
俺がそう言いかけたとき、デザームが現れた。
そして、漫遊寺に戦いを申し込んだが・・・
「何度言っても同じです。私たちには戦う気はありません」
「ならば仕方がない」
そう言って、ゼルがボールを蹴り、
学校の一部を壊した!
それが頭に来たのか、漫遊寺のキャプテンは
対戦に応じた・・・。
が。
イプシロンははるかに強く、0-15で漫遊寺は負けてしまった。
そして、デザームが学校を壊せと命令したとき・・・!
「待て!!」
守が叫んだ。
「まだ試合は終わっちゃいない!!俺達が相手だ!!」
「お前達が?・・・いいだろう。」
そのすきに俺は、監督にそっと耳打ちをした。
「(監督、俺この試合抜けます)」
「(えっ!?・・・わかったわ。)」
「この試合、雪女君は抜けなさい。」
「えっ!?それじゃ10人に・・・」
「11人目なら居ます!小暮君が!」
「「「こっ、小暮〜っ!?」」」
まぁそんなことがあって・・・試合が始まった。
だけど、イプシロンはかなり強い。
ジェミニストームとは比べ物にならない。
が、俺達も負けてはいない。
一ノ瀬がスピニングシュートを放ったが、イプシロンの2人が直接ボレーシュートで打ち返す。
塔子のザ・タワーとザ・ウォールで防衛に成功し、
アツヤがエターナルブリザードを撃った!
しかし、デザームに止められてしまう。
「エターナルブリザードが・・・」
「止められた・・・!?」
俺は驚愕を隠し切れなかった。
そして、
そのまま先制点を入れられてしまった。
そして、ちょうど3分になった頃。
「次の一撃を持って終了とする!」
「何っ・・・!?」
「聞け、人間共よ!我々はあと10日のうちに、もう1度勝負をしてやろう!」
「なんだって・・・!?」
「ただし、それまで生き残れるか?」
そう言うとデザームは、なんとゴールエリアから直接シュート!
小暮はボールの勢いに怖気づき、
逃げ出すが、転んでひっくり返った。
その瞬間、足がボールを挟み込んで、
小暮はくるくると回った。
そして回転が収まると、なんと小暮は
ボールを奪っていた!
そして気づくと、イプシロンは居なくなっていた・・・。
やったね、小暮くん!」
「小暮、お前すげえな!」
「お前・・・やればできるじゃないか!」
「うっしっしっ・・・!」
ちなみに、喜びに駆け寄ってきた漫遊寺のやつらは、
落とし穴に落ちました。(ヲイ
「小暮くん!」
「小暮!!」
「げっ!」
俺と春奈ちゃんが、小暮を追いかけようとしたとき・・・
「お待ちなさい」
漫遊寺の監督が声をかけた。
そして、瞳子さんと少し話をすると、
俺達の方に振り向いて、こう言った。
「お嬢さんたち・・・あなた方の心は、きっと小暮に届くはずですじゃ・・・」
「あ、ありがとうございます・・・」
「・・・」
「春奈ちゃん?」
「う、ううん。なんでもない。」
そのとき、風丸が瞳子さんに声をかけた。
「監督、小暮を仲間に入れなくていいんですか?」
「俺も、あいつはいい戦力になると思います。」
「・・・彼が、自分の意思で私たちと行くことを望むなら、ね。」
「賢明なご判断ですじゃ・・・」
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