もう一つのずれ


そして、俺の感じた通りに、
新帝国と俺達は試合をすることになった。

「火月くん、貴方は最後の切り札よ。大いに活躍してくれると信じているわ」
「・・・俺は、きっと必要ありませんよ。あいつらは、俺なんかより強いですから」
「そうかしら」
「ええ。」

そして、試合が始まった。

佐久間は試合早々、禁断の技、皇帝ペンギン1号を出してきた。

そして、守を吹き飛ばしてゴールへ。
先制点を取られた。

そのとき、俺の意識が飛びかけた。
兄ちゃんと入れ替わるのかと思えば、違った。
体がなんだか痛いし、息が少し苦しい。

あ・・れ・・・?

「いつもと・・・違っ・・・」

体がガクガクする。まともに座っていられない。

俺はベンチに横になった。

体が・・・寒い・・・?

「あ・・・あ・・・・」
「どうしたの、雪女くん!?」
「あきちゃ・・・から、だが・・・」

そのとき、俺の意識は完全に消えた。

目が覚めると、そこはキャラバンの中だった。

「・・・ん」
「雪女くん!」
「雪女先輩!!」
「あれ・・・俺、どうして・・・」

雪女からは、何故か・・・
体がおかしくなったときの記憶が、ほとんどなくなっていた。

「なーんも憶えちゃいねーけど・・・何か、意識が急に飛んだ気がする・・・」
「とりあえず、無事でよかった!!」
「・・・はっ、試合は!?佐久間は!?源田は!?」

俺は秋ちゃんにそう聞いた。
俺のことなんか構ってられない、佐久間や源田が心配だった。

「試合は引き分けだけど・・・2人とも、救急車で病院に・・・」
「・・・そうか・・・」

俺は、髪をかき上げると、ため息をひとつついた。

「・・・俺、切り札だったのに・・・、何も出来なかったな・・・」
「そんなことないよ!」
「いや、俺の自己管理がダメだったんだよ・・・俺、とんだバカ野郎だ。」
「雪女くん・・・」


俺は、完璧にならなきゃだめなんだ・・・
完璧に・・・



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