別れと再出発


そして。
あれから俺達は、稲妻町に戻ってきた。

「みんなー!見えてきたぞー!稲妻町だ!」
「わぁっ、鉄塔だ!本当に戻ってきたんだな!」
「みんな!イプシロンとの試合まで一週間だ!ばっちり決めて、絶対勝つぞ!!」
「「「おーーっ!!」」」

そして、土手に差し掛かったとき・・・

「古株さん!止めてください!!」

そこには、シャドウと杉森が居た。
そして守と風丸は、降りて二人に会いに行った。

「うっしっし・・・変な頭〜」
「うむ、変な頭だな」
「否定しないのかよ」
「しねーよ」

・・・まぁこの会話はさておき。


俺達は、雷門中に戻ってきた。

もちろん、雷門中は修理中で。
俺は、胸がちくりと痛んだ。

「諸君!よく戻ってきてくれた!」

理事長がそう、言葉をかけてくれた。

「夏未から報告を受けているが、新帝国学園には正直驚いたよ」
「苦しい戦いが続くが、君たちなら必ず成し遂げられる!頑張ってくれ!」
「・・・とは言え、休みも大切だ。短い時間だが、体を休めてくれたまえ。」

そして俺達は、散り散りに分かれた。

「吹雪、お前はどうするんだ?」
「ん・・・僕?僕はどうしようかな」
「まだ決めてないのか。俺は家にいったん帰るよ。母さんが心配してそうだし」
「そっかぁ。気をつけてね。」
「お前こそ!」
「あ・・・それと・・・」
「ん?なんだ?」
「今日の夜・・・ちょっといいかな?」
「いいけど・・・何か用事か?」
「う、うん。そんな感じ。」
「そうか、わかった!じゃあ俺行くな。」
「うん。」

そうして俺は家に向かって走り出した。
顔を少し赤くして、マフラーを握っている吹雪に気づきもせず。

さて、今・・・俺は家の玄関前にいるわけだが。

「(驚かしてやりてーな、ピンポン鳴らすか)」

小暮じゃねーけど、何か悪戯心が湧いてきたから、
ピンポンを押して、母さんか父さんが出てくるのを待った。

ガチャ

「はーい、誰ですk・・・」
「ただいま、母さん。」
「雪女!!」

ぎゅううっ

苦しいほど抱きしめられた。

「ぐぇ」
「バカな娘だ!心配かけて・・・!!」

携帯で話したときは心配してないふりしてたんだな・・・

俺は、きつく抱きしめられているなか、そう思った。

部屋に戻ると、いつも通りの風景だった。
猫達も元気そうだったし。

「ただいま、エター。」
「にゃぁん」
「俺、またどっかに行っちゃうけど・・・みんな、留守番よろしくな」
「にょぉん!」
「みゃあ」
「にぃー」
「にゃあ!」

そのあと俺は、
またいろいろとあちこちに行くことになるだろうと思い、
鞄の荷物を新しく入れ替えた。

「(吹雪と仲良くできるきっかけを作ってくれてありがとな、ひざ掛け。)」

ひざ掛けを数回撫でて、大事にたんすにしまった。

「よし、気分もなんとなく一新された感じがするようなしないような!!」

・・・まぁとりあえず、荷物も入れ替えたことだし、
俺は河川敷に走った。

きっとみんな河川敷で練習してるだろう。

河川敷に行くと、ほとんどの奴がサッカーの練習をしていた。

「おー、みんなやってるやってる。張り切ってんな!」

俺も練習しようとして、用意していると・・・

「染岡!!」

染岡が急に倒れた。

「どうした、染岡!!」
「染岡!!」

そして・・・

「染岡、大丈夫か?」
「何だよ、みんな大げさだな・・・」
「無理すんな!」
「くっ・・・大丈夫だ!ほらな?」
「馬鹿!!お前・・・足がこんなに腫れてんじゃねーか!」
「そうだ!」
「・・・古株さん!」
「どれどれ・・・こりゃひどい!!新帝国戦のあと、ちゃんとケアしなかったな?」
「本当に、大丈夫ですから・・・」
「強がったところで、何の得もありゃせんぞ」
「・・・」
「イプシロン戦は1週間後なんです。それまでに治りませんか?」
「一週間やそこらで治るもんかい!」
「治してみせる!治らなくても前半だけでも出てみせる!!」
「やめろ染岡!!」

俺は染岡の肩を掴んだ。

「やめろよ。意地張っても、お前が辛くなるだけだろ・・・」
「雪女・・・」
「染岡君」

そのとき、瞳子さんがこう言った。

「貴方には、チームを外れてもらいます」
「そんな、監督!染岡は・・・」
「本人がやると言っているんです!やらせてもいいじゃありませんか!!」
「風丸・・・」
「お前達も分かるだろ!?染岡は最初から雷門サッカーチームを支えてきた仲間なんだ!」
「仲間だからよ」
「えっ」
「それは、どういう・・・」
「彼は、きっとチームのために無理をする。そうなれば、きっとみんな彼を気遣って、満足な試合ができなくなるわ」
「でも!」
「・・・もういい、風丸・・・。悔しいが、監督の言うとおりだ・・・」
「染岡・・・!!」
「吹雪!雷門のストライカー、任せたぜ!」
「あ・・・うん・・・」

そうして、染岡は雷門から離れることになった。

「(・・・染岡・・・)」

「そうだ!報告があるんです!」

静かな空気の中、春奈ちゃんの声が響いた。

「報告?」
「小暮君、できちゃったんですよ!」
「何が?」
「イプシロン戦で見せた、あのDF技か」
「そうなんです!」
「すげーじゃねーか!見せてみろよ!」
「うっしっし!見せてやってもいいぜ!」
「何スかねぇ、あの自信。」

そして、小暮は見事に新必殺技を出した。
目金がその技に、「スパイラルレックス」と名前をつけたが、「だっせぇ」の一言で却下された(笑)。

「(みんなの気分が上向いてきたな。よかった)」
「俺、サッカーやっててよかった!染岡にも会えたし、こんなに仲間ができたし!」
「・・・俺もだよ。」
「雪女?」
「俺も、みんなとサッカーやってて、スゲェ楽しい。」
「だよな!!」
「だからさ、宇宙人にもサッカーの楽しさを教えてやろうぜ!だったらみんな平和にサッカーできんだろ!」
「そうだな!」
「じゃあ、まずは勝たなくちゃな!」
「今度は、絶対に勝つぞ!練習再開だーーーっ!!」

「「「「おーーーーっ!!!」」」」

「(あの熱さ、嫌いじゃねーな。)」

俺は、にこりと1人微笑んだ。

そして、俺達は大阪に向けて
出発することになった。

「今度は大阪か〜」
「敵のアジトがあるんだってよ!」
「一ノ瀬、お前今どんな気持ちだよ?」
「ん?わくわくしてるような、何か嫌な予感がするような気がするよ」
「そっかー!」

「気をつけたまえ!吉報を待ってるぞ!」

そして、キャラバンは俺達を乗せて、大阪に向けて出発した。

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