痛みと悩みと、苦しみと


どうして・・・

どうして兄ちゃんは変わったの・・・?


俺・・・

俺はただ・・・

兄ちゃんみたいになりたかっただけなのに・・・

兄ちゃんの傍に居たかっただけなのに・・・



どうして・・・?




「・・・」

「・・・く・・・」

「・・・・くん・・・」

「雪女くん!!」



目が覚めると、秋ちゃんが心配そうな顔で俺の顔を覗き込んでいた。

「大丈夫!?何があったの!?」
「あき、ちゃ」
「血まみれで倒れてたんだよ!?」

体には、秋ちゃんが巻いてくれたのか
あちこちに包帯が巻かれていた。

「・・・あ・・・ありがとう・・・」
「ありがとうじゃないよ!!どうしてこうなっちゃったの?」

・・・どうしよう、兄ちゃんのことなんて言えないし・・・

適当に誤魔化しておこう・・・

「ろ、ロボットが暴走しちまって!何とか壊したんだけどよー、めちゃめちゃ強くて!」
「そっか・・・無理しないでよ?」
「あ、あぁ。」
「じゃあ私、戻るね。練習続けるんだったら休んでからにしたほうがいいよ」
「ありがとな、秋ちゃん。」
「どういたしまして。」

プシュー・・・

秋ちゃんが部屋から出ると、
俺はため息を一つついた。

・・・兄ちゃんが、変わってしまった。

いや・・・俺が変えてしまったのかもしれない。

俺が、兄ちゃんに傍に居て欲しいがために、

あんなワガママを言ってしまったから・・・。


“お前は完全でも完璧でもねぇんだよ!!”


確かに、俺は兄ちゃんに頼りすぎていたところもあるかもしれない。


「・・・悩んでいても、しょうがないか」


そう呟いて、俺はロボットの起動ボタンを押した。

そして・・・

「やっ・・・た!!」

俺は、最後のレベルをクリアした!
俺の前には、壊れたロボットが一体。

「やった!!じゃあ次は、サクリファイトの練習だな!」

俺はその部屋を急いで飛び出して、別の部屋へ向かった。

その途中へ、士郎の居る部屋を見つけた。

「(士郎・・・頑張ってるんだな・・・)」

必死にボールを蹴る士郎に、俺は胸がきゅん、となった。
が、その瞬間、兄ちゃんの言葉が頭に浮かんだ。

“あいつがお前を本当に好きなのか分からないのにか?”

「(うっ・・・)」

あいつは俺を好きだと言ってくれた!
男だと思っていても告白してくれた!
だから大丈夫だ!

俺はそう自分に言い聞かせ、部屋に急いで向かった。

ちなみに、その頃円堂たちは・・・

「うめぇ!このお好み焼き最高だな!」
「このたこ焼きもおいしいっスよ!」
「・・・あれ、雪女と吹雪は?」
「まだ、練習してるみたいです!」
「・・・」
「あら・・・木野さん、どうかしたの?」
「雪女くんのことで、気になることがあって・・・」
「どんな事?話してみて頂戴。」
「うん・・・。さっき、雪女くんの練習してるところの近くを通ったら、話し声がして・・・」
「どんな?」
「雪女くんの声だけだったんだけど、何か「やめろ」とか「違う」とか・・・」
「何を話してたんだろうな?」
「で、その後、大きな音と冷たい風が吹いたかと思うと、雪女くんが血まみれで倒れてたの・・・」
「「「「血、血まみれ!?」」」」
「雪女くんはロボットが暴走しただけって言ってたけど・・・何かがおかしいの・・・」
「気になるわね」
「どうしたんでしょうかね?」
「まぁ・・・とりあえず、吹雪と雪女を迎えに行くか!」
「そうですね!」

そして、円堂たちが雪女を迎えに行くと・・・

「・・・すー・・・すー・・・」

近くのベンチですやすやと眠っている雪女を見つけた。

「ダーリン、サクリファイトか何か知らんけど、練習するゆーてたけど・・・何で寝てんのー?」
「たぶん・・・サクリファイトの出しすぎで疲れたんだな」
「アイススピアーも練習してたし、それでじゃないかしら?」
「起こさないほうがいいわね」
「俺達が運ぶぜ」

そう言うと、円堂たちが静かに眠る雪女をテントまで運んでいった。

そして、この日の練習が終わった。

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