仲直りに優しいキスを
そしてその夜。
「ん・・・」
雪女は目を覚ました。
周りでは、秋や春奈がすやすやと眠っている。
「(守か誰かが運んでくれたのか・・・)」
雪女はなるべく起こさないように、
静かにテントの外へ出た。
そして、静かにキャラバンの上に上がった。
「・・・ふー・・・」
雪女は三角座りで、ぼーっと星空を眺めていた。
すると急に、キャラバンのはしごを上る音が。
「・・・ん?」
「あ・・・隣、いい?」
「何だ、士郎か。いいぜ。」
吹雪は、雪女のすぐ隣に座った。
が、雪女は昼間のことが気まずくて、吹雪のほうを見れなかった。
「・・・なぁ、士郎」
「ん?」
「お前・・・本当に俺のことが好きか?」
「何言うの?好きに決まってるよ」
「・・・じゃーなんで、ナニワランドで女の子と居たんだよ?」
「うっ」
「どーせお化け屋敷とかで「キャー怖ぁーい!」とか言って抱き着かれたんだろ。」
「うっ・・・(図星)」
「・・・どーせ、俺みたいな男勝りの女嫌いなんだろ?女の子らしい奴の方がいいんだろ?」
雪女は、三角座りのままで拗ねた。
「違うよ!あの時は、あの女の子たちが無理やり・・・」
「楽しそうにしてたのはどこのどいつだよ」
「・・・」
「どーせ俺なんて、男にしか見えねーよ。胸もないし、可愛くもないし・・・」
雪女は自分の膝に顔を埋めて泣き出した。
そのとき。
ぎゅっ
「泣かないでよ、雪女・・・。雪女に泣かれたら、僕・・・どうしていいのか・・・」
「・・・士郎のばか、俺寂しかったんだぞ・・・?」
「ごめん。本当にごめん。」
「・・・今回だけだからな。」
「分かってる。」
「本当に?」
「本当に。」
雪女は、ようやく少し笑った。
「次やってみろ、アイススピアーの刑だからな」
「でも、雪女も一ノ瀬くんと一緒にいたじゃないか・・・」
「もう絶対やらない。もしも次やったら、エターナルブリザードの刑でいい。」
「わかった。」
吹雪は雪女を抱き寄せて、頭を撫でた。
「(一ノ瀬もよかったけど、やっぱ士郎の手が暖かくて気持ちいい・・・)」
「あ、そういえばプレゼントがあるんだ」
そういうと、吹雪はポケットをごそごそと弄った。
「ん?」
「はい、これ。」
吹雪が取り出したのは、とても可愛い猫のストラップだった。
「・・・か、可愛い!」
「ゲームセンターで取ったんだ。雪女の笑顔が見たくて」
「俺の、笑顔・・・?」
「何だか最近、雪女の笑顔を見てないから」
「・・・そっか。俺、そういや最近笑ってなかったかもな・・・」
「雪女が笑ってくれて嬉しいよ」
「ふふ、ありがとな。」
そして俺達は、すっと、風が吹き抜けるように・・・・
優しいキスを交わした。
その後、夜が明けてきたから、俺達は急いで分かれた。
俺はテントに戻り、寝袋に急いでもぐりこんだ。
たぶん士郎も同じような感じだろう。
そして、俺は目を閉じて、少しだけ眠った。
「・・・起きて、雪女くん。練習始まっちゃう」
「ん〜・・・あと2分・・・いや3分・・・」
「それ4回目だよ?いい加減起きないと〜・・・・」
何を思ったのか、秋ちゃんは寝袋のすそを掴んで、
思い切り引っ張り上げた。
もちろん寝袋のチャックは開いてるわけで・・・
「ぶぎゅ」
雪女はずるずると寝袋から出てきた。
「はい、おはよう。」
「・・・おはよー」
そして、練習が始まった。
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