ひらりと、一枚だけ


そして次の日の早朝。

俺は最後の調整をしたかったから、
特訓部屋に入り、練習を始めた。

「・・・来い!!」

そう言うと、機械からものすごいスピードのボールが撃ち出され、
勢いよく雪女に向かってきた。

「サクリファイト!!」

また、白い羽根が生えて、天使が現れた。
そして、ボールがものすごい勢いで胸に当たった。

「ぐッ・・・!!」

そして、ゆっくりとボールは勢いをなくし、
地面に落ちる。

「・・・よし、サクリファイトは完璧だ。」

そのとき、またあの声が聞こえてきた。

「雪女」

「兄ちゃん・・・!!」
「お前・・・今日は試合だろ?」
「・・・兄ちゃんには、関係ないだろ」

昨日のことがあるため、
雪女は彰人を直視できなかった。

「関係ないこと無いだろ?お前がピンチのときは入れ替わってやるからさ・・・」
「・・・嫌だね!!」
「んー、そんなにつれなくするなよ。俺はお前の兄貴なんだぜ?死んでるけどな!」
「何しに来たんだよ!俺の練習の邪魔か!?」
「ちげーよ!俺の可愛い可愛い妹がエイリアと試合するんだ、応援しに来たんだよ」
「・・・そんな応援、いらねーよ!」
「雪女・・・」

そのとき、雪女の腕の包帯がちらりと見えた。
それを見た彰人は、雪女に近づいた。

「雪女・・・それ・・・」
「あ?これか?昨日兄ちゃんにやられたときにあちこち切っちまったんだよ」
「あ・・・あ・・・」
「?」
「雪女・・・悪かった・・・!!」
「な、何だよ急に・・・」
「カッとなったとはいえ、大切な妹に怪我をさせるなんて・・・!兄貴失格だ・・・!」
「兄ちゃん・・・」
「すまない・・・すまない・・・雪女・・・!!」
「・・・大丈夫だよ、兄ちゃん。」
「雪女・・・!」
「そりゃ、心も体もすげぇ痛かったさ。だけど、俺にも非はあったからな」
「悪い・・・雪女・・・」
「いいんだよ、兄ちゃん。」
「雪女・・・」
「・・・なぁ、兄ちゃん」
「何だよ?」
「俺・・・昔の約束、守れてるか・・・?」
「・・・あぁ、守れてるさ。」
「そっか、それならよかったぜ」
「・・・雪女、俺は「雪女!!」

そのとき、後ろから守の声が響いた。
俺は一瞬驚き、守のほうを向いた。

「何してたんだ?」
「えっ、あの、その」

俺はパッと兄ちゃんのほうを振り向いた。
が、兄ちゃんは居なくて、代わりに1枚の白い羽が落ちていた。


あの後、秋ちゃんと守を必死に誤魔化して、事なきを得た。
(ちなみに、あの羽根は俺のキーホルダーについてたとやつと言って誤魔化した。)

そして・・・試合の時間がやってきた。

どこからか黒いサッカーボールが現れ、
イプシロンのメンバーが現れた。

「イプシロン!!」
「・・・時は来た。十日もやったのだ、どれだけ強くなったのか、見せてもらおう」


そして、試合が始まろうとしていた・・・

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