運命のホイッスル


「・・・どういう事なんだ!?なんで円堂や雪女の友達が、エイリア学園に・・・」
「円堂さん・・・」
「・・・まんまと騙されたみたいですね」
「騙された?」
「奴らの目的は、円堂くん、雪女くんと友達になったふりをして、動揺させること・・・」
「そういう事だったんですね!?」
「な、なんて事・・・!」
「宇宙人の考えそうな事ですよ」
「それは違うよ」
「えっ!?」

そう言うと、ヒカリは喋りだした。

「ふふ。私達は、貴方達とサッカーがしたいだけですよ。」
「だからさ、君達のサッカーを見せてよ」
「・・・いいのか?許可もなしにこんな奴らとサッカーして」
「さあな」
「お黙りなさいハウザー、ゲイル!・・・グラン様がやりたいと言っているのよ?」
「も、申し訳ありません、シュテルン様・・・」

「・・・グラン?」
「シュテルン?」

「それが本当の名前なのか?」
「お前らとは、もっと楽しいサッカーが出来ると思っていたのに・・・!!」
「けど、エイリア学園と分かった以上!容赦はしないぜ!!」

そう守が言うと、二人は笑った。

「・・・勿論だよ」
「そう来なくちゃ、面白くないでしょう?」

そして・・・試合が始まろうとしていた。

「円堂、雪女はどこに居るんだ?」
「雪女?」
「雪女くんなら、さっき「ちょっと手洗い行ってくる」って行っちゃったよ?始まる前には、戻るからって・・・」
「そうか!じゃあそろそろ戻ってくる頃だな。」



そのころ、雪女は、
必死にこの試合のことを思い出していた。


「この試合で、士郎が・・・」
「俺が・・・俺が守らなきゃ・・・!!」

額に流れる汗を荒く拭い、
雪女はそうつぶやいた。

「完璧に、ならなきゃ・・・!!」
「・・・兄ちゃんばかりに、頼れない・・・!」

雪女は息を少し切らしながら、髪をくくった。

「俺が守るんだ・・・俺が・・・」
「兄ちゃんに頼らずに、俺がやるんだ・・・」
「俺が・・・俺が・・・っ!!」

「雪女」

「兄ちゃん・・・?」

見ると、目の前の鏡に
また彰人が映っていた。

「「俺に頼らずに」なんてひでーな。お前一人で無茶すんな。」
「・・・」
「いいか?この試合は俺に変わるんだ」
「嫌だ!」
「・・・嫌?」
「兄ちゃんには頼れない!」
「・・・お前は何でも一人で背負い込みすぎなんだよ!!何で俺に頼らねぇんだ!!」
「士郎は俺が守る!俺が守らなきゃいけねぇんだ!!」
「あいつが、お前に「守ってくれ」とでも頼んだのかよ!?」
「・・・・ッ!!」

雪女は口ごもった。

「・・・雪女、俺もこんなことは言いたくねぇよ。」
「兄ちゃん・・・?」
「俺は死んでからもお前のそばに居た。だから、お前のことはその辺の奴より分かってる」
「だから言ってやる。・・・お前、無理してるだろ」
「む、無理なんかしてない・・・!」
「嘘つけ。今も体の痛みに耐えてるんだろ」
「・・・!!」

彰人の言うとおり、
雪女は新帝国の試合後から、入れ替わった状態から戻るときに、
体に痛みが走るようになっていた。

しかも、ナニワランドの試合の後から、
何もしていなくても、体に軽い痛みが走るようになっていたのだった。

「雪女、頼むから・・・頼むから無茶すんな!」
「無茶なんて・・・してない!!」
「・・・もう、何を言っても・・・無駄なんだな・・・」

彰人は、透き通るような紫の瞳から、
ぽろ、と一粒の涙を流した。

「兄ちゃん・・・」
「じゃあ、せめてこれだけは言っておく・・・」
「・・・?」
「“エリーゼ・F・サンライズ”に気をつけろ」

そう言うと、彰人はスッと消えてしまった。

「“エリーゼ”・・・?」

さっきの彰人の言葉に疑問を抱きながら、
雪女はグラウンドに戻った。

「雪女!」
「すまね、遅れた。」
「大丈夫だ、まだ時間は・・・あれ、吹雪は?」
「そーいや、居ねえな・・・」

するとそこに、少し様子のおかしい士郎がやってきた。

「吹雪!」
「・・・・」
「吹雪?どうしたんだ?」
「あ・・・うん、何でもないよ。」
「(士郎・・・)」
「そうか?ならいいけど・・・」
「吹雪。お前はFWを頼む。リカとツートップだ。」
「なぁ、鬼道・・・」
「・・・雪女。」
「俺をDFに上げてくれ」
「何を・・・」
「俺がチームを・・・みんなを守るから!」
「雪女・・・?」
「・・・監督、いいですよね?」
「ええ、任せるわ」
「ありがとうございます。」

そう雪女が言うと、リカがこう言った。

「よっしゃ!バシッと決めたるでー!」
「頼むぜ吹雪。今日もエターナルブリザードを決めてくれよな!」
「雪女もさ、アイスローズとかサクリファイトでバシーッと決めてくれ!」
「・・・っ」
「あ、あぁ・・・。」


「行くぞ!みんなーーっ!!」

「「「「おーーーっ!!!」」」」



そして、試合開始のホイッスルは鳴った。


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