そして乾いた水溜まり
そして夕方・・・
「(秋ちゃんから、守が立ち直ったって聞いたけど、本当かな)」
そう思いながら、雪女はグラウンドに足を運んだ。
グラウンドの中央には、人だかりが出来ていた。
そこに雪女が近づくと、秋は気づいたのか、雪女を呼んだ。
「あっ、雪女くん!」
「秋ちゃん!」
駆け寄ってみると、そこには
元気を取り戻した円堂が立っていた。
「・・・立ち直ったみてーだな」
「雪女・・・」
円堂は雪女を見ると、勢いよく頭を下げ、こう言った。
「悪かった!!」
「・・・」
「お前やみんなに迷惑かけて、本当にすまなかった・・・」
「・・・分かればよし。」
そう言うと、雪女は円堂の前に
手を差し出した。
「・・・?」
「これで仲直りだ。」
「あぁ!」
そして、二人は固く手を握り合った。
その時。
「お、俺も一緒に戦わせてください!」
「えっ?」
「俺、マジン・ザ・ハンドが出来るようになったら、言おうと思ってたんです!」
「・・・立向居!!」
「監督、いいですよね!?」
「・・・ええ。」
「あ、ありがとうございます!!」
立向居が嬉しそうに笑う傍で、
祈莉ちゃんは寂しそうな顔をしていた。
「・・・勇気、行っちゃうのね。」
「祈莉・・・」
「・・・よかったら、祈莉ちゃんも来る?」
「い、いいえ。とんでもありませんよ。私は強くないですから・・・。」
「祈莉。」
「・・・よかったね、勇気。円堂さんと戦うのが勇気の夢、だったんでしょ?」
そう言うと、祈莉は少しうつむいた。
すると、立向居は祈莉の肩を勢いよく掴んだ。
「きゃっ!?」
「聞いてくれ、祈莉!!」
「な、何・・・?」
「・・・お、俺・・・円堂さんたちと、エイリア学園を・・・ぜ、絶対に倒すから・・・」
「た、倒すから?」
「・・・お、俺と付き合ってください!!」
「!!」
とたんに祈莉ちゃんの顔が真っ赤になる。
周りからは「ヒューヒュー」や「熱いね!」なんて冷やかしも聞こえる。
「へ、返事は・・・?」
「・・・わ、私・・・ここで、お留守番してるから!ゆ、勇気のこと、待ってるから!」
「・・・!」
「だ、だから・・・へ、返事はYesだよ!!」
祈莉ちゃんは、真っ赤な顔のまま、叫ぶようにそう返した。
「めでたいことが続くな。」
「あぁ。」
そしてその後、みんなで笑いあったのだった・・・
そして次の日。
「円堂くんが元気になってよかったね!」
「えぇ。」
「そういえば雪女くん、昨日病院には行かなかったの?」
「・・・へへっ、昨日は祈莉ちゃんと立向居をからかうのに忙しくてな。」
「ちょっとその話、詳しく聞かせなさい。」
「(な、夏未嬢・・・)」
その時。
「ただいま」
聞きなれた声が、雪女の耳に届いた。
雪女が勢いよく振り返ると、そこには・・・
「士郎・・・!!」
「ただいま、雪女」
雪女は吹雪を見るなり、
走って駆け寄り、勢いよく抱きついた。
「・・・わっ!」
「しろ、士郎っ・・・!!」
「ごめんね、心配かけて。もう大丈夫だから・・・。」
吹雪は、雪女をやさしく抱き返した。
グラウンドの水溜りは、もう全部乾いていた・・・
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