炎のストライカー?


そのとき、瞳子さんの携帯が鳴った。

「響木さん・・・?」

そして、瞳子さんは電話に出る。

「何なんだろうな?」
「うん・・・」

「・・・はい、えっ?・・・分かりました。」

瞳子さんは電話を切ると、
凛とした表情でこう言った。

「沖縄に、炎のストライカーと呼ばれる人がいるそうよ」

そう瞳子さんが言うと、守は最初はきょとんとしていたが、すぐに目を輝かせ・・・

「炎の・・・?まさか、豪炎寺!?」
「あぁ、行こう!!」



そして、俺達は沖縄に行くことになった・・・

そして。
今現在俺達は、船に乗って島に向かっている途中。

「なぁ守、豪炎寺・・・居るといいな。」
「あぁ。絶対居る!」
「監督が先に行って、探してくれてるんですよね?」
「そのはずだけど・・・連絡がまだないのよ・・・」
「やっぱそう簡単には、行かねーか・・・」
「で、でも!豪炎寺さんに会ったら、ファイアトルネード受けてみたいです!」
「おー立向居。すげー張り切ってんな!もしかして、アレが効いたのか?」
「ア、アレって?」

心当たりがあるのか、立向居の顔がほんのり赤くなる。

「え?そりゃー、別れ際にほっぺにしてもらっていた祈莉ちゃんのキs「わーーーーっ!!!」

雪女がちゃかすように言おうとすると、
立向居は真っ赤になって、すばやく雪女の口を塞いだ。

「でも、あいつのシュートは簡単には止められないぜ!」
「・・・でも、本当に豪炎寺くんなのかな?」
「俺は信じたいね。あいつとの再会を。」
「うーん、輝く太陽、青い海。まるでうちら三人を祝福してくれとるようやね、ダーリン・・・」
「あ、あは・・・」
「・・・え、それ俺も入ってる?」
「もちろんやーん!ダーリンたち二人とうちでワンセットなんやからー♪」

ハートを飛ばしながら言うリカに、
ほんのちょっぴり引いてしまったのは言うまでもないだろう。

まぁその後、
うとうとと居眠りしていた塔子が、
小暮のいたずらの被害にあったりしたが・・・
なんとか無事に、俺達は阿夏遠島というところに着こうとしていた。

「あー・・・暑いっスね・・・」
「あっちぃ・・・」
「ほら見てください、珊瑚ですよ珊瑚!!」
「目金、お前は元気だなー・・・」
「そんなに乗り出したら危な「うわぁぁっ!?」

壁山が注意した傍から、目金が手すりから落ちた。

「俺が助け・・・」

雪女が飛び込もうとしたその時、
誰かは分からないが、二人が目金に近づいていた。

そして、ピンク色の髪の少年が、目金を抱き上げて海面から顔を出した。
そして、その少年のそばには、黒髪の少女が居た。

「凄い!誰だあいつ!?」
「(あれ・・・あの子、もしかして!)」

そして。

「お前、気をつけろよ!」
「いやぁ・・・珊瑚が余りにも美しくて・・・」
「まったく・・・」

そう言うと、守は少女と少年の前でこう言った。

「ありがとう!君達は目金の命の恩人だ!」
「よせよ、お礼を言われるほどじゃねーって」
「そうそう!普通のことをしただけよ。とりあえず、助かってラッキーね!」
「そ、そうですよ・・・僕だって泳げるんですから・・・」
「「馬鹿野郎!!」」

目金がぼそりと呟くと、
その少年と少女は声をそろえて怒った。

「海は命が生まれるところだ!」
「そのシーで、命を落とされちゃたまんないわ!」
「は、はい・・・」
「まぁとりあえず、無事で何よりだ。」

そう言うと、少年は去ろうとした。
その時・・・

「あーっ!」
「な、何!?」

少女は秋を指差し、びっくりした表情をしていた。

「ユー、もしかして秋じゃない?」
「え?」
「ほらほら、ルックルック!!」

そう言うと、その少女はまとめていた髪を解き、ゴーグルをはずした。

「その話し方・・・柚流!?」
「秋、知り合いなのか?」
「・・・う、うん。」

「おーい柚流ー!来ねえのかー?」
「あ、じょーすけー!先に行っててー!」
「おう!お前の分のサーフボード持ってくぞ!」
「サンキュー!」
「じゃあ、先に行っとくぜ!」

そう言うと、条介と呼ばれた少年は
サーフボードを両手に抱え、どこかへと歩いていった。

「いやー、まさかこんな所で、秋に会うとは思わなかったわ!」
「そういえば、柚流は何でこんなところに?柚流は雷門中生でしょ?」
「あぁ、ミーは母方の実家がこの島で民宿してるのよね。今はその民宿の手伝いで帰ってきてるところなの。」
「そうなの?」
「うん。あ、でも今日は手伝うことがないからサーフィンしてるの!」
「へぇ・・・」
「もう少ししたら、稲妻シティーに帰る予定。」
「そうなの。」
「そういえば、秋こそ何でここに居るの?」
「私達、人を探してて・・・」
「・・・へー。それはいいけどさ、今日は絶対にリターン出来ないと思うよ?」
「えっ?」
「それって、どういう!?」
「あのシップ、一日一回しか行き来しないのよね。明日まで待たないとダメなのよねー」
「「「「えーーーっ!?」」」」
「あ、そろそろ行かないとまずいな・・・。じゃあ秋、また今度ね!」
「う、うん・・・」

そう言うと、柚流はどこかに走っていってしまった。

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