威嚇とカンと


「あっちー・・・」
「暑くて溶けそうだよ・・・。」
「・・・士郎、大丈夫か?お前雪国育ちで暑いの慣れてないだろ?」
「なんとか大丈夫。それより、炎のストライカーが豪炎寺くんだといいね」
「あぁ。俺も久しぶりに会いたいぜ。」
「土門ー、士郎ー。てゆーか俺、暑さで今にも溶けそうだー」
「我慢、我慢。」
「んー。」

その時、俺達の後ろで

ヒュイッ

と、口笛が聞こえた。

後ろを振り向くと、俺は背筋が凍った。


「(バーン・・・!!)」

「そのジャージ、雷門中だろ?」
「・・・あ、あぁ。」
「カッコいいじゃねーか。」

そう言うと、バーンは何かを理解したような顔をした。

「なるほど。俺を探してたのって、雷門中だったのか」
「え?」
「つまりそれって、宇宙人と戦うってことだろ?」
「な、何言ってんだ?」
「・・・君は?」
「俺は南雲晴矢。あんたらの探してる炎のストライカーって、たぶん俺。」
「「「!!」」」
「見せてやるよ、俺のシュート!」

「・・・士郎、土門。守達にさ、炎のストライカーが見つかったって、先に行って教えてやれよ!」
「え、でも・・・」
「いいからいいから!」
「じゃあ俺達、先に行くぜ?」
「あぁ。」

そう言って、二人を先に守達のもとへ行かせた。

ここには、俺と晴矢だけ。


「てめぇ・・・猫被りはやめたらどうなんだ?」
「・・・ハァ?何のことだよ」
「とぼけてんじゃねーぞ、エイリア学園マスターランク、チームプロミネンスキャプテンのバーン!!」
「ッ!!・・・何故、それを」
「俺を騙そうたって無駄だ。俺はすべて見えているからな」
「・・・」
「変な真似してみろ、俺のシュートの餌食にしてやる」

そう言って、俺は晴矢に背を向け、
士郎たちを追いかけた。


「ククッ・・・おもしれー奴。」



晴矢がそう言って、
妖しく笑ったのにも気づかずに。


そして、俺達は晴矢をみんなに紹介した。


そして・・・

「俺をテストしてくれねーか?俺がこのチームにふさわしいかどうか。」

「よし、やろう!」




そして、円堂のこの一声で、
晴矢のテストをすることになった・・・。




そして。

「どんな奴なんだろうな!」
「楽しみっスね!」
「・・・」

俺は、悪寒を抑えながら
ユニフォームの裾を直した。
その時、兄ちゃんの声が聞こえた。

《雪女》

すると、急に意識が遠くなった。


「(兄ちゃん・・・?)」



“彰人と入れ替わるのは もうやめたほうがいいわ”



身を任せようとしたとき、
ふいにテュシアーの声が頭に響いた。

それにハッとなり、俺は兄ちゃんを振り切った。


「(兄ちゃんにこれ以上、無理をさせるわけにはいかない・・・!!)」


そして、テストが始まった。

始まった早々、晴矢はボールを高く蹴り上げ、自分も高く飛んだ。

「!?」
「なっ!」

しかし、俺達DF陣も負けてはいない。

「行かせない!ザ・タワー!!」
「へっ!」

しかし、塔子のザ・タワーは
あっけなく破られてしまった。

「アイスグランド!」

しかし、アイスグランドも破られてしまう。

晴矢の勢いは止まらず、そのままゴールへ進んでいく。

「・・・行かせるかよ!」

俺は晴矢の前に立ちふさがり、サクリファイトの体形をとる。

「紅蓮の炎に焼かれろ!アトミックフレア!!」

「サクリファイト!!」

そして、サクリファイトとアトミックフレアがぶつかる。

「・・・ぐっ!(火傷、しそうだ・・・!!)」

練習して強くなったはずのサクリファイトだったが、
アトミックフレアのパワーに負けて、雪女は吹き飛ばされた。

「ぐあっ!!」
「雪女!」

「・・・よし、来い!マジン・ザ・ハンド!!」

円堂もマジン・ザ・ハンドで止めようとするが、
あっけなく飛ばされてしまった。
そして1点が入り、晴矢のテストは合格となった。

「・・・いってぇ・・・」
「雪女、大丈夫?」
「何か、胸がすげえヒリヒリする・・・。」
「大丈夫・・・?」
「ちょっと見てみるから、あっち向いてろ」

俺は、士郎に後ろを向かせると、
ユニフォームの襟をぐいと引っ張り、確かめてみた。

「・・・!?」

見てみると、胸は真っ赤になっていた。
それから見て、凄く強いシュートだと分かる。

「・・・くそっ・・・!!」

俺は、小さくそう呟いて
拳をぐっ、と握った。

《俺の話を聞かないからそうなるんだ》

「・・・兄ちゃん・・・!?」

《俺がやれば、そんな怪我をしなくても済んだのにな》

「俺がやりたくてやったことなんだ!黙れよ・・・!!」

《・・・強く、なりたくないのか?》

「そりゃ、なりたいぜ・・・!!」

《・・・じゃあ、俺と入れ替われ》

「駄目だ!それじゃ意味が、意味が無いんだよ・・・!」

《今のお前じゃ、円堂守だって、吹雪士郎だって、誰一人として守れないぞ》

「・・・ッ!?」

《・・・一人で疲れただろ?さぁ、俺の手を取れよ・・・》

「い・・・嫌だっ!!」

雪女は頭を抱えた。

・・・その時。

「・・・誰と話してるの?」

「し、ろ・・・?」
「そこに誰か居るの?僕、今こっち向いてるから見えないんだ。」
「・・・ただの独り言だよ」
「そっか。」

雪女はそう言って誤魔化すと、
襟を直して、吹雪に近寄ろうとしたその時。


・・・ゾクッ・・・


背中に悪寒が走った。

こう言う時は、何か悪いことが起きる。

俺のカンは、嫌というほどによく当たるからな・・・。


「あなたはどこの学校の生徒なの?」
「ッ・・・」
「どうしたんだよ、南雲・・・」


「エイリア学園だよ」


背中にまた、悪寒が走った。

恐る恐る振り向くと、そこには・・・




基山ヒロトと、基山ヒカリが立っていた。

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